住宅ローンの繰り上げ返済はしないほうがいい?メリットとデメリットを解説

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住宅を購入する際は、多くの人が住宅ローンを利用することになります。
住宅ローンは数十年に渡って返済していきますが、「なるべく早く完済したい」「月々の返済額を減らしたい」と考える人も多いのではないでしょうか。

そこで、今回は任意で元金の一部を返済する「繰り上げ返済」について解説していきます。
繰り上げ返済の種類や仕組み、メリット・デメリットを知って、自分のライフプランに適した返済方法を選べるようにしておきましょう。

繰り上げ返済の仕組みとは?

繰り上げ返済とは、住宅ローンの返済期間中に毎月の返済額とは別にローンの一部を返済することをいいます。

通常の返済では「元金+利息」が返済額となりますが、繰り上げ返済では支払った金額がそのまま元金の返済に充てられます。
つまり、繰り上げ返済による最大の効果は、元金を減らすことで本来支払うはずだった利息を軽減することができるということです。

繰り上げ返済の方法には「期間短縮型」と「返済額軽減型」の2種類があります。

期間短縮型は、月々の返済金額は変えずに返済期間を短くする返済方法です。たとえば、繰り上げ返済によって支払った金額が1年分の元金に相当すれば、その分の利息を軽減でき、さらに返済期間が1年短縮されることになります。

一方、返済額軽減型は、返済期間はそのままで月々の返済金額を減らす返済方法です。この場合は、繰り上げ返済額を月々の返済額に均等に充当することになります。

どちらの返済方法であっても利息を減らすことができますが、返済額軽減型は期間短縮型に比べて利息の軽減効果が低くなります。つまり、期間短縮型のほうが繰り上げ返済による効果が高いといえるでしょう。

繰り上げ返済を行うメリットとは?

CASE380 稜線の家

繰り上げ返済のもっとも大きなメリットは、利息を軽減できるという点にあります。

住宅ローンの利息は、それだけでかなりの金額です。
仮に、借入金額3000万円、返済期間35年、金利1.2%とした場合、利息だけで約675万円になります。
繰り上げ返済はこの利息を大幅に軽減できるため、ローン返済において有効な手段といえるでしょう。

そして、利息の軽減という点だけをみれば、返済額軽減型よりも期間短縮型のほうが有利となります。

一般的に、住宅ローンの返済方式は「元利均等返済」が使われています。元利均等返済では、月々の返済額は変わりませんが、返済額を占める元金と利息の割合が返済期間の経過に応じて変わっていきます。

具体的には、返済開始時は利息の割合が高く、返済期間の経過とともに元金の割合が高くなっていくのです。

そのため、繰り上げ返済を行うタイミングが早いほど、利息を軽減できるということになります。
返済期間が長く残っていたり、残債が多かったりする場合は、繰り上げ返済を検討するのに適したタイミングといえるでしょう。
また、金利が高いケースでも繰り上げ返済は有効です。

他にも、繰り上げ返済を行うメリットとして、自分のライフプランに沿った資金計画を選べるということが挙げられます。住宅ローンの返済は自分や家族の人生に長く関わってきます。

自身の年齢や子供の成長などを考慮したうえで、それぞれのライフプランに適した返済方法を選びましょう。

繰り上げ返済のデメリットとは?

住宅ローンは、収入と支出のバランスを考えたうえで、無理なく返済できることを想定して計画されます。

しかし、繰り上げ返済を行うということは、多少の無理を強いられる可能性もあるということです。
無理がそのままデメリットにつながってしまうことも否定できません。

繰り上げ返済を積極的に行うと、手元資金がなくなってしまうことがあります。
本来、適正な返済計画で組んでいたローンなので、そのまま計画どおりに返済するよりも経済的にきつくなる可能性もあるでしょう。

また、人生にはトラブルがつきものです。繰り上げ返済後に「病気やケガでお金が必要になった」「教育費が予想以上に必要になった」「収入が減ってしまった」という事態に見舞われることがあるかもしれません。
そのとき、手元に現金がなければ大変なことになってしまいます。

繰り上げ返済には、手数料が発生することもあります。余裕があるときにこまめに返済すると、その分返済の回数も増えるため、手数料についても考慮が必要です。

手数料の有無は借り入れている金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
利息の軽減は繰り上げ返済における最大のメリットですが、手数料が大幅にかかってしまっては本末転倒です。残債額ばかりに気をとらわれず、総合的に判断しましょう。

繰り上げ返済に最適な時期は?

繰り上げ返済を行う場合は、最適な時期を見極めることが大切です。実行する時期は早いほうが有利なので、返済開始後10年以内がベストだと考えましょう。

繰り上げ返済をすると返済した資金は借り入れした元金部分に充当されます。
これは、本来支払う予定だった元金に対してかかる利息を減らせるということです。つまり、繰り上げ返済の資金は、その金額が大きいほど、さらに実行する時期が早いほど総返済額を軽減する効果が高くなるのです。

ローンの返済においては、元金を返済することが非常に重要になります。利息を計算する際のおおもととなる金額を返済することで、利息がふくらんでいくことを防げるのです。

期間短縮型と返済額軽減型で向いているケース

期間短縮型と返済額軽減型は、それぞれどのようなケースに向いているのでしょうか。利息の軽減効果が高い期間短縮型は、総返済額を効率的に減らしたいと考える人に向いています。

また、完済時期を早めたいという人にもおすすめです。
住宅ローンの完済時期は、定年辺り、あるいは定年を少し過ぎた辺りになることが多く、定年後に貯蓄や年金から捻出して返済していたものの支払いが難しくなってしまったといったことも少なくありません。

定年後の返済に不安がある人は、期間短縮型を利用して定年までに完済させるというのもひとつの方法です。

一方、返済額軽減型に向いているのは、月々の返済額を抑えたいと考える人です。子供がいれば、将来の教育費負担に備えたいと思う人もいるでしょう。

また、転職などによって収入が減ってしまう場合も、返済額軽減型のほうが向いています。
ローンによる負担が大きいため月々の貯金ができないなど、金銭的な不安を抱えている場合は、まず返済額を抑えることが先決です。
現状だけではなく将来的なライフプランを見据え、より自分に適した方法を選びましょう。

繰り上げ返済は借入額と金利で決めよう!

CASE380 稜線の家

繰り上げ返済には住宅ローンの負担を減らせるメリットがありますが、デメリットや注意点についても知っておく必要があります。

そもそも、金利は変動するものであり、絶対的な基準があるものではありません。
確かに、住宅ローン借入額が多かったり、金利が高かったりする場合は、早くから繰り上げ返済をした方が有利になるケースも多いでしょう。

しかし、金利が低いうちは有利になるとは限りません。利息の負担が少ないため、現在の変動金利の水準ぐらいであれば、住宅ローン減税適用期間中に焦って繰り上げ返済をしなくてもいい場合もあるのです。
まずは、自分と家族のライフプランと向き合い、借入額と金利の双方に目を向けながら検討することが大切です。

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