敷地から埋蔵物が!知っておきたい埋蔵文化財保護法とは

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日本には縄文時代や弥生時代の遺跡や跡地が全国各地に点在しており、普段生活している土地から貴重な文化財が出土する場合があります。注文住宅の基礎工事を行う際にも、埋蔵文化財が掘り起こされるケースがあるのです。
ここでいう埋蔵文化財とは、文化遺産保護制度に基づいて保護の対象となる、地中に埋蔵された状態で発見される文化財(文化遺産)のことをいいます。
日本では埋蔵文化財を保護するため、遺跡の範囲内で土木・建築工事等を実施する場合は、文化財保護法により届出が義務付けられているのです。
そこで、今回は埋蔵文化財保護法について法律の概要や報告の方法を紹介します。

 

庭からお宝発掘も?埋蔵文化財とは

日本では古くから歴史的な価値のある文化財を保護し、その価値を永続的に保存するように政府が活動を進めています。その一環として日本全国で出土した遺跡や土器などの埋蔵文化財も保護しているのです。
埋蔵文化財とは土地に埋蔵されている文化財のことで、遺跡全体を指す場合もあれば、個々の有形文化財を指す場合もあります。
具体的な例としては、縄文時代の土器や弥生時代の石器、飛鳥・奈良時代の彫刻や工芸品などです。他にも、平安時代の書籍や典籍、鎌倉・室町時代の古文書や銭などがあります。
このような埋蔵文化財は日本全国に点在しており、どの土地に埋まっているかは誰にも分かりません。

 

もっとも、政府はこれまでの発掘調査から埋蔵文化財の存在が知られている土地を「周知の埋蔵文化財包蔵地」として保護しています。
現在、周知の埋蔵文化財包蔵地に該当する地域は全国で約46万カ所あり,毎年約9千件の発掘調査が行われているのです。
さらに、周知の埋蔵文化財包蔵地は、地域の市町村が作成している遺跡地図および遺跡台帳に記録しており、一般に向けて公開されています。

ここで注意したいのは、この遺跡地図および遺跡台帳は、その市町村内のすべての周知の埋蔵文化財包蔵地をもれなく記録しているとは限らないということです。
つまり、ここに記録されていない土地であっても、その地域社会において遺物や遺跡が埋もれていると認識されている土地は、周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するのです。

 

埋蔵文化財と埋蔵文化財保護法とは?

文化財保護法の規定により、周知の埋蔵文化財包蔵地において土木工事などの開発事業を行う場合、建築会社は都道府県や政令指定都市などの教育委員会に事前の届出が必要になります。

また、新たな遺跡や埋蔵文化財を発見した場合にも届出の義務が発生します。実際には工事が行われる前に建築会社が都道府県や政令指定都市などの教育委員会に開発予定地の照会を行うため、特別な手続きが必要になるわけではありません。
ただし、都道府県や政令指定都市などの教育委員会でも開発予定地が周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するかどうかの判断がつかない場合は、自治体の職員が現地踏査や試掘を行う場合もあります。
特に、すでに埋蔵文化財が出土している地域の隣地などの場合は、こういった手続きが行われることがあります。この手続きによって、建築工事の着工時期が遅れる場合もあるということを覚えておきましょう。

 

また、実際に遺跡や文化財が出土した場合は、都道府県や政令指定都市などの教育委員会が埋蔵地の処遇を決定します。
より重要な文化財と認められる場合には、発掘者は現状を変更せずに文化庁長官に届出を行い、場合によっては最大3カ月の間、建築工事が行えない状況になるケースもあります。
逆に、協議の結果、やむをえず遺跡を現状のまま保存できない場合には事前に発掘調査を行って遺跡の記録を残し(記録保存)、開発工事を進める場合もあります。
遺跡の発掘経費については営利企業である開発事業者に協力を求めているため、事業者負担となります。

この点に関して、「事業者負担ということは余計な費用がかかるの?」と疑問をもった人もいるかもしれません。

しかし、発掘費用が営利目的を持たない個人に転嫁されることはありません。個人が営利目的ではなく行う住宅建設の場合は、国庫補助もしくは公費によって実施される制度があります。
建築会社が自己の営利目的のために行う開発事業などの場合にのみ、事業者負担となります。

しかし、発掘調査が長期間に渡り費用総額が大きくなる場合には、土地所有者の負担が生じる場合もあるので注意が必要です。

 

発掘された出土品はどうなるの?

出土された埋蔵文化財は、法的には「拾得物」として扱われます。拾得物とは、簡単にいえば「落とし物」です。土地の所有権が自分にあったとしても、その土地の地下に埋まっている埋蔵品は誰のものか分からないからです。
法的には拾得物として扱われるため、通常の落とし物と同じように所管の警察署長に提出する必要があります。

もし、提出せずに拾得物をそのまま自分のものとした場合、刑法254条の占有離脱物横領罪に該当します。
占有離脱物横領罪の法定刑は「1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料」となっていますが、しっかりと届出をすれば罰せられることはありません。
また、出土した埋蔵文化財が大量にあったり、土で汚れていたりする場合は、そのまま警察署に提出することはできません。この場合、「埋蔵物発見届」という届出を警察署に提出することで、埋蔵物を提出したことと同じ扱いになります。

 

警察署への提出後は14日間公告され、3カ月の間に所有者が現れるのを待ちます。この期間に、提出された拾得物が本当に価値のある文化財かどうかの認定を都道府県や政令指定都市などの教育委員会が行います。
そして、所有者が現れた場合、警察によって本当の所有者かどうかの判断が行われ、本当の所有者であれば埋蔵品はその人の持ち物となるのです。
この場合は、遺失物法28条1項の規定により、拾い主に対して20~50%の報労金を受け取ることができます。一方、所有者が現れず拾得物が文化財と認められる場合は、原則的に都道府県の所有物となります。

この場合には、発見者に対して文化財の価値相当額と同額の「報償金」が支払われるのが通常です。もっとも、出土した地域や出土状況、文化財の歴史的価値によっては報償金が支払われない場合もあります。
いずれにしても埋蔵文化財は国民の貴重な共有財産のため、出土した場合はしかるべき対応を心掛けましょう。

 

工事中に発掘した場合もすぐに報告が必要!

京都や奈良など周知の埋蔵文化財包蔵地が県内に密集しているような土地では、工事中に埋蔵文化財が出土することがよくあります。
もし、工事中に埋蔵文化財を発見した場合は、その現状を変更することなく、速やかに「埋蔵物発見届」を提出しましょう。その結果、工事が遅延する場合もありますが、出てしまった以上は理解して届出や発掘調査に協力する姿勢が大切です。

もし、工事が遅延するのはどうしても避けたいという場合は、土地を購入する前に「周知の埋蔵文化財包蔵地に該当していないか」「近くに該当地域はないか」をきちんと確認しておきましょう。
埋蔵文化財が出土するかどうかは工事をしてみなければ分かりませんが、確率を下げることが可能です。注文住宅の建築では埋蔵文化財のような予想外のことが起こることも頭に入れておきましょう。

 

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