注文住宅の設計料とは?依頼先別の相場と考え方

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注文住宅を建てる際、間取りや仕様の設計には費用がかかります。

費用を節約しようとして杜撰な設計をしてしまうと、家を建てた後に困ることになります。

また、注文住宅の見積もりは設計を元に計算されるため、注文する際には設計者との綿密な打ち合わせが必要です。

設計料は工務店やハウスメーカーによって異なるため、あらかじめ住宅の設計についてよく把握し、しっかり比較することが大切です。

そこで今回は、設計料はどのようにして決められるのか、適正価格はどの程度なのか、といったことを詳しく解説しましょう。

注文住宅における設計料とは?

設計料とは、設計作業の対価です。設計図面の通りに工事が行われているかをチェックする「監理」を含める場合には、設計監理料と呼ばれます。

設計料に明確な基準というものはなく、どこに家づくりを依頼するのかによって異なるので注意が必要です。

目安として、国土交通省告示第15号による略算方法では、「直接人件費」+「特別経費」+「技術料」+「諸経費」が設計料となっています。

直接人件費とは設計関連業務に直接携わる人の給与や手当など、特別経費とは出張旅費や特許使用料などのことです。

技術料は、その業務において発揮される技術力や創造力、業務経験などの対価として支払われるものとなります。

その他、会社の業務や運営に必要となる費用が諸経費に該当します。

ただし、これらの費用は告示第15号で示された全ての業務が行われることを前提としたもので、依頼の条件などによって一部業務を省略できる場合もあります。

依頼先で変わる!設計料の相場

設計料が具体的にどのくらいの金額になるのかは、依頼先となる住宅会社によって変わります。設計についてはハウスメーカー・工務店もしくは設計事務所が主な依頼先となるため、依頼先別の設計料の相場と、設計料が決まる仕組みを解説します。

ハウスメーカー・工務店

一般的に、ハウスメーカーや工務店の設計料の相場は、総工事費の2〜5%前後です。例えば3000万円の注文住宅なら、設計料は60万円から150万円程度を想定しておくとよいでしょう。工事契約の前に設計契約を取り交わす会社の場合、設計契約の中で工事費の2〜5%前後の金額が設計料として計上されます。

ハウスメーカー・工務店に設計を依頼すると、設計事務所に依頼するよりも安く抑えられるケースが多いです。なぜなら、ハウスメーカーや工務店は規定の設計パターンに当てはめて設計することが多いからです。

間取りやデザインに強いこだわりがなければ、ハウスメーカーや工務店で規定のパターンに近い設計を依頼することで設計料を安くできます。

設計事務所

多くの設計事務所は、工事金額に料率を掛けた額を設計監理料としています。料率は会社によってさまざまで、たとえ同じ設計事務所であっても工法や施工額に応じて異なってきます。

一般的な料率の目安としては、3000万円の木造住宅で10~15%だと考えておくとよいでしょう。

ただし、設計事務所の実績や体制によって8~25%とばらつきが大きいのが現状です。

地方などの場合、中には設計料を3%としている設計事務所も存在しますが、3%では設計監理業務の損益分岐点を大幅に下回っています。

そのことから考えると、設計は趣味で行っているか、あるいは自社で行うのは設計のみで監理は工務店に任せてしまっているのかのどちらかだと推測されます。

また、まれなケースですが、単位施工床面積に対しての一定額(1坪5万円など)といった計算方法で計上する設計事務所もあるので注意が必要です。依頼する際にはどのような計算方法なのかをよく確認しておきましょう。

設計料率だけをみると、設計事務所は工務店やハウスメーカーと比べて費用がかかるように感じるかもしれません。

しかし、実際には設計事務所に設計や監理を依頼するときには、その設計事務所と関係が深い中小工務店に建築を依頼することになります。

たとえば、依頼された中小工務店が大手メーカーよりも1割安い価格で請け負ったとします。

すると、仮に設計料が建築費の10~15%程度であったとしても、総額では工務店やハウスメーカーに依頼するのとさほど差はない、ということになります。

あらかじめ総予算を示しておけば、その枠内で設計してもらうことも可能です。

一概に設計事務所に依頼すると高くつくと考えるのではなく、どちらを選べば納得のいく家が建てられるのか、幅広く比較検討することが大切です。

設計事務所の設計料が高いと感じたときのチェックポイントはこちらの記事を参考にしてください。

家づくりの参考に!設計事務所の見積りはココをチェック!

安いほうがお得? 設計料の考え方

住宅は安い買い物ではないので、「少しでも費用を抑えたい」と思う人も多いでしょう。しかし、設計料は安ければ良いというわけではありません。

ここでは、注文住宅を建てる際の設計料の考え方について解説します。

フルオーダーなら依頼先にかかわらず設計料は高くなる

ハウスメーカーや工務店の設計料は設計事務所よりも安く抑えられると紹介しましたが、それは規定の設計パターンで対応できるセミオーダーの場合です。こだわりの設計やデザインの希望を叶えるにはフルオーダーとなり、フルオーダーになると依頼先にかかわらず設計料は高くなると覚えておいてください。

設計料を重視して依頼先を選ぶなら、「独自のデザインや間取りは求めていない」という人はハウスメーカーや工務店、「ゼロから自分達らしい家を作りたい」という人は設計料をかけて設計事務所や建築家に依頼するのがおすすめです。

また、変形地や狭小住宅など設計時に考慮しなければならない厳しい条件がある場合にも、柔軟な設計を得意とする設計事務所が有利です。

その他、設計事務所に依頼するメリットはこちらの記事でまとめています。

注文住宅を設計事務所と建てるメリット 工務店・ハウスメーカーとの違い

設計料が他の費用に含まれる場合もある

「設計料」として提示される金額が安かったとしても、実際にかかった設計料の一部が他の費用に含まれていることもあるので注意してください。ハウスメーカーや工務店では、見積り以上にかかった設計料を、本体工事費や諸経費に含めている場合があります。

また、設計料はかからず工事費のみを請求されるケースもありますが、設計業務を行っていないわけではないため、設計業務にかかった実際の費用は工事費に含まれていると考えられます。

そのため、単純に設計料だけを比較してもあまり意味がありません。費用を比較するときは、全体の工事費を確認しましょう。

注文住宅の設計料について知り、納得の家づくりを

設計料は、あらかじめ見積もりをしっかり確認することが大切です。

なぜなら、工務店やハウスメーカーに依頼した場合、設計料がどの細目に入っているのかが異なるケースが多いためです。

設計士が関連する部分をよく確認し、相場に合致しているのかどうかを必ずチェックしましょう。

また、工務店やハウスメーカーに設計を依頼した場合には、万が一の際の責任の所在はどこにあるのかを明確にしておくことも重要なポイントです。

注文住宅の設計料について詳しく知らない状態では、費用を比較したときに気になる点が出てくるでしょう。設計料について事前に理解し、納得したうえで家作りを楽しんでください。

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