後悔しない2型キッチンのレイアウトのコツとは?おしゃれな間取り実例を紹介

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後悔しない2型キッチンのレイアウトのコツとは?おしゃれな間取り実例を紹介

広々としたスペースを確保できる2型キッチンは、数あるキッチンタイプの中でも使いやすく人気を集めています。しかし、機能的な2型キッチンでも形状の特徴を知らずに設置してしまうと使い勝手が悪くなってしまう場合も考えられます。

今回は2型キッチンをレイアウトする時のコツについてご紹介します。

2型キッチンのメリットってなんだと思う?

2型キッチンのメリットってなんだと思う?

機能的でオープンキッチン・クローズドキッチンを選ばずに設置できる2型キッチンは、メリットの多い形状のキッチンと言えます。実際に2型キッチンを選んだ方は、どのような点から2型キッチンのメリットを感じているのでしょうか。

アンケートを取ってみました。

2型キッチンのメリットは「広々としたスペースを確保できる」

・別々にすることでキッチンスペースを広く確保することが出来ることがメリットだと感じます。(20代/男性/正社員)

・キッチン内で歩く距離が少なくて済むことだと思います。(60代/女性/パート・アルバイト)

・作業を分担しやすい、その際の動線がお互いに干渉しにくいのでは、と思っています。(40代/女性/専業主婦)

・水がコンロにかからないようにするためと思います。(50代/男性/個人事業主・フリーランス)

・大家族だったり、沢山料理を作らなくちゃいけなかったりする家庭は二人以上が同時にキッチンに立つ、を考えると便利なのかもしれない。(40代/女性/専業主婦)

・(5歳児くらいまでの)子どもが入ってきやすい。それが悪いことだと思う人もいるでしょうが、私は色んなことを見学出来た方がいいと思うので利点だと思います(20代/女性/正社員)

【質問】
コンロとシンクが別々になっている2型キッチンのメリットは何だと思いますか?

【調査結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年06月06日~2017年06月12日
有効回答数:150サンプル

アンケートの結果、2型キッチンのメリットとして「キッチンを広々と使いやすい点」を挙げている方が多いことが分かりました。キッチンスペースが広いと、子どもと一緒に料理を楽しみやすかったり、複数人で作業がしやすかったりなどのメリットも得られます。

収納スペースを確保しやすく、コンロにシンクの水がかからないことなども2型キッチンの優れた点といえるでしょう。

料理をする時にうれしいメリットいっぱい2型キッチンの特徴

料理をする時にうれしいメリットいっぱい2型キッチンの特徴

2型キッチンとは、I型キッチンを向かい合うような形で並べたキッチンのことです。I型キッチンの場合、少ないスペースにコンロやシンクなどが並んでおり、シンプルな形状で使用しやすい点で優れています。一方、2型キッチンは、スペースが広く効率的な作業に向きます。

どのように優れているのか、詳しく見てみましょう。

キッチンを広々と使える

2型キッチンを設置する場合、キッチン設備を2つに分けて設置できるため広々と快適に使用できます。作業スペースが広くなる分、使いやすさが向上する点は見逃せません。

例えば、パン生地をこねたり、蕎麦を打ったりとスペースを必要とする場合も、ストレスを感じることなく作業できます。複数のおかずを同時調理したい時にも便利ですね。こうした特徴から、2型キッチンはI型キッチンとU型キッチンの良さを取り込んだキッチンと言えるでしょう。

キッチン台が拡張される分、収納も増加します。食器や調理器具を多く持っていて、収納に相応のスペースが必要な人や、見せない収納でキッチン台の上をすっきりさせたい人にも、2型キッチンはおすすめです。

作業動線が短く効率的

少ないスペースで設置でき、キッチン台が向かい合っていることにより、作業動線が短くなります。そのため、効率よく調理を進めることができます。

例えば2型キッチンでは、シンクとコンロの間を体の向きを変えるだけで移動可能です。食材を切ってから鍋に入れるという作業がワンアクションで済むため、料理がよりスムーズにできるようになります。加熱中の料理をそばで見守りながら洗い物ができるのもうれしいですね。

また2型キッチンは、シンクとコンロ、冷蔵庫を結ぶ「ワークトライアングル」が作りやすい点でも、メリットが大きいと言えます。調理中は、この3つのポイントを頻繁に移動するため、移動距離が長いとストレスを感じやすくなります。

2型キッチンなら、この3か所を近くに集約させやすいため、毎日の食事の準備もスムーズです。

複数人での作業がしやすい

キッチン台が前後2つに分かれる形状であるため、複数人での料理を楽しみやすい点も注目できます。

特に子どもがいる世帯で、食事作りのお手伝いをしてもらったり、子どもに料理を教えたりする時に便利でしょう。ホームパーティが好きな方にも、キッチンで2人~3人が並んで作業しても十分な広さがあり、お互いの作業を邪魔することもありません。

こうした理由から、家族と一緒に料理がしたい方や、友人との時間を楽しみたい社交的な方にも、2型キッチンは支持されています。

快適な2型キッチンにもデメリットがある

快適な2型キッチンのデメリット

広く快適な2型キッチンですが、実はデメリットもあります。キッチンの種類を決定してから後悔することのないよう、どのような点が問題なのかあらかじめ把握しておきましょう。

3つのデメリットを詳しく紹介します。

通路の幅やレイアウトによっては使いにくくなる

まず挙げられるのが「通路の幅が広すぎたり狭すぎたりすると使いにくくなってしまいやすい」という点です。

2型キッチンを導入すると、2列のキッチン台の間に人が立って作業することになります。その分作業動線が短くなり、効率よく調理を進めやすいことがメリットです。しかし、キッチン間の通路の幅が狭すぎると、作業がしにくくなってしまいます。

仮に、コンロとシンクが向かい合ったキッチンで作業する場合、通路の幅が1人分しか確保されていないと、複数人での作業では調理を進めるうえで不便に感じやすくなります。通路の幅を適切に確保することが大切です。

そのため2型キッチンを導入する際は、導入実績の豊富な設計事務所に依頼すると安心です。キッチンの使用スタイルを伝え、自分や家族にあったサイズを提案してもらいましょう。

ダイニングに対して後ろ向きで作業をすることがある

2型キッチンは、調理中に体の向きを変えることが多いです。そのため、リビングダイニングを常時視界に収めながら作業をすることは難しいでしょう。

壁側のキッチンで作業していると、リビングダイニングにお尻を向ける形で作業をすることになります。仮に、小さな子どもがいて安全を見守りながら料理をしたい場合などは注意が必要です。

自分や家族に合っているかどうか不安な場合は、他のタイプのキッチンとも比較しながら、自分に合ったものを見つけることが大切です。実際に、モデルルームなどで実物を確認してみることをおすすめします。

移動する時に床に水が落ちやすい

2型キッチンでは、シンクで洗った食材を後ろのコンロで調理するタイプが一般的です。そのため床に水が落ちやすく、掃除の手間が増えるリスクがあります。濡れた食材や調理器具を向かいに移動する際、床に水が滴り落ちたり、食材が落ちたりして汚れやすい点には注意してください。

この場合は、汚れの落ちやすい床材を利用したり、掃除機をかけやすいレイアウトにするなど、掃除の手間を軽減できるよう工夫してみてください。メンテナンスのストレスを軽減できます。

2型キッチンの導入実績が豊富な設計事務所に依頼すると、こうしたデメリットの対策も相談できるためおすすめです。

2型キッチンはI型より高い?設置にかかる必要について

あくまで傾向ですが、2型キッチンはI型キッチンより価格相場が高くなります。2型キッチンはおおむね120万円~400万円、対面型かつI型キッチンであるアイランドキッチンは、60万円~350万円程度です。

ただしこの価格は以下の費用例を全て含んだ総額です。

キッチン台本体価格
組立工事費
設置費
給排水配管工事費
電気工事費

キッチン台の配置や、電気配線・排水設備の位置関係によっては、工事費が高くなる可能性があります。また、キッチン台そのもののグレードによっては本体価格は大きく変わってくるでしょう。

詳細な費用は見積もりを取得して確認してみることをおすすめします。

2型キッチンのレイアウトの種類

2型キッチンのレイアウトの種類

一口に2型キッチンといっても、レイアウトによってがらっと表情が変わってきます。2型キッチンを導入すると、どのようなレイアウトが可能なのか詳しく紹介します。好みのものをぜひ見つけてみてください。

オープンキッチン

オープンキッチンは、キッチンとダイニングの間を仕切る壁が設置されていない、フラットな対面キッチンです。キッチンスタジオなどでよく採用されているタイプで、さながら飲食店のようなおしゃれで開放的な印象になります。

オープンキッチンは、リビングダイニングから中がよく見えるため、見せる収納でおしゃれにレイアウトしたい場合にもおすすめできます。

一方、視界を遮るものがないので手元を隠すことができません。そのため、キッチン台が汚れていたり、食材や調理器具が散らかっていると、生活感が出やすい点に注意が必要です。

セミオープンキッチン

セミオープンキッチンは、キッチンとダイニングの間に低い腰壁があり、手元が隠れるようになっているキッチンです。家族と時間を共有しながら料理ができ、適度に生活感を隠すことができます。オープンキッチンと後述の独立キッチンの良い点をあわせ持つタイプです。

セミオープンキッチンの腰壁の内側には、スポンジや洗剤などを置けるため、ある程度実用重視で物を配置してもすっきりとした外観を保てます。

一方、腰壁周辺の掃除には注意が必要です。腰壁の隅などは掃除がしにくく、上に物を置く場合はホコリが溜まらないよう対策しなければなりません。総じて、オープンキッチンと比べると掃除はやや面倒と言えます。

独立キッチン

独立キッチンは、リビングダイニングと壁で仕切られていて、キッチンの一角が一つの部屋のように独立しているレイアウトです。

独立キッチンのメリットは、調理の臭いや煙が他の部屋に漏れにくいことです。揚げ物の油ハネなどもしにくいため、リビングの家族に気兼ねすることなく調理ができます。また、生活感の出やすい常温保存の食材や調味料なども隠して配置できます。

一方、壁で囲まれている分、リビングに居る子どもの見守りや、テレビを見ながらの料理には向きません。検討する際は、自分や家族の利用スタイルをシミュレーションしてみましょう。

不便にならないように工夫したい2型キッチンのレイアウトのコツ

不便にならないように工夫したい2型キッチンのレイアウト

2型キッチンのレイアウトを決める際には、キッチン同士の通路の幅とシンクやコンロの位置、床材などに着目しながら決めると良いでしょう。

まず、キッチン同士の通路の幅は、長すぎても短すぎても不便です。家族に小さな子どもはいるか、複数人でキッチンを使うシーンはあるのかなどの点を踏まえ、使用する人のニーズに合った通路幅を決定しましょう。

次に、シンクやコンロの位置についてです。キッチン同士が向かい合う2型キッチンの場合、シンクやコンロが向かい合っていると作業がしにくく、また危険でもあります。コンロとシンクの位置は斜めになるようにずらして配置するなどしましょう。床材は、水が落ちても問題ないように、耐水性が高い床材を選びましょう。

2型キッチンは、通路間の食材・調理器具の移動が増えやすい形状をしています。その他のキッチン形状よりも、より多くの水滴が通路間に落ちることが予測できるため、床材は耐水性を重視して選ぶと安心です。

耐水性のない床材を選んでしまうと、通路の床材が腐ったりカビが生えやすくなったりとトラブルの原因になります。

2型キッチンを取り入れたおしゃれな間取り!建築実例を紹介

自分や家族にあった理想のキッチンにするためには、どんなキッチンが良いか具体的なイメージを持つことが大切です。ここでは、フリーダムが手掛けたキッチンの建築実例を写真付きで紹介します。家づくりの参考にしてください。

リビングやスキップフロアを見渡せるキッチン

リビングやスキップフロアを見渡せるキッチン

CASE742 STEP’s

こちらの家のキッチンは、オープンタイプの2型キッチンです。吹き抜けを備えたリビングとつながっており、明るい日差しの差し込む開放感のある空間となっています。

キッチンの左手にリビングとスキップフロアが位置するよう工夫された配置が特徴的です。通常は、シンク側のキッチン台の正面がリビングダイニングであることが多いのですが、こちらはコンロ側とシンク側のどちらを向いていても、家族の見守りができる設計となっています。

リビング側は白と木目を基調としているのに対し、キッチン台はモールテックス風のものが採用されており、対照的な引き締まった空間に。開放感を損なわずに空間を緩く分けたデザインとなりました。

コンパクトな動線が魅力のキッチン

CASE746 outlook

こちらのキッチンの特徴は、ダイニングテーブルとシンク側のキッチン台が一体化していること。キッチン台で準備した料理をすぐに配膳できるため、導線がすっきりとコンパクトにまとまっています。

冷蔵庫とガスコンロ、シンクがすぐ近くに集まっていることも、家事の効率化に一役買っているポイントです。キッチンと収納棚は統一感のある黒を基調としたデザインです。

このタイプのキッチンは、作業スペースが足りない時はダイニングテーブルを調理台として利用できるというメリットがあります。家族で料理をする時や、友人を招いてホームパーティーをする際には重宝します。

コミュニケーションを取りながら食事ができるカウンターキッチン

コミュニケーションを取りながら食事ができるカウンターキッチン

CASE727 ライトコートハウス

こちらのキッチンは、グレーを基調とするすっきりとしたデザインが印象的。開放感のあるオープンタイプのキッチンを採用しています。コンロ側の棚や冷蔵庫はフラットに収納されているため、調理中の移動を妨げません。

シンク側のキッチン台はカウンターとして使えるようになっていて、食事の配膳や後片付けが非常に楽です。調理中の家族とのコミュニケーションにも最適で、調理をしながら子どもの宿題を見る、といった使い方もできます。

夫婦でのんびりお酒を楽しみたい時は、おしゃれなバーカウンターとしても活躍してくれます。

ダイニングと一体化した明るいキッチン

ダイニングと一体化した明るいキッチン

CASE720 S×S

明るい日差しの差し込むこちらのキッチンは、シンク側のキッチン台とダイニングテーブルが一体化した造りです。リビングとダイニングが別で用意されているため、食べ終わったらリビング側に移動する、という形で生活にメリハリをつけやすくなっています。

壁側のキッチン台は、部屋の壁いっぱいの長さに広く取られていることが特徴です。コンロの反対側にお気に入りの調理家電や鍋、食器類をレイアウトしました。

木でできた下がり天井と、吊り下げタイプの照明がアクセントとなり、おしゃれなカフェのような空間に仕上がっています。

スタイリッシュで洗練されたデザインのキッチン

CASE749 dignified housing

白を基調としたスタイリッシュなデザインが特徴のキッチンです。家族と空間を共有できるオープンキッチンを採用しており、リビングとひと続きになっています。明るい印象の内装ですが、壁側の収納がアクセントになり、デザインに変化をつけています。

シンク側の作業台は奥行きをしっかりと確保。広々としたスペースで料理を楽しめる構造です。コンロ側のキッチン台は大容量の収納を備えており、食器や家電を収納できるようになっています。

キッチンが散らからないため生活感を隠すことができ、洗練された印象を損ねないよう工夫されています。

大人数でも作業がしやすい広々キッチン

大人数でも作業がしやすい広々キッチン

CASE744 CAVE

こちらは、ダイニングの一角を丸ごと使った広々としたキッチンです。壁側・シンク側のどちらも十分なスペースを確保してあり、大人数で食事の支度をしても窮屈さを感じさせません。

ダイニングキッチンの内装はシャープにまとめられており、カウンターのついたおしゃれなバーのような印象です。家族での食事作りはもちろん、友人を集めてのホームパーティーなどにも便利です。

この家のリビングスペースは、写真右側の壁の向こうにあります。所々空間がつながっているため、リビングからは独立しつつも、家族の息遣いを感じられるレイアウトです。

腰壁にカウンターを設置したキッチン

腰壁にカウンターを設置したキッチン

CASE607 懐(ふところ)

こちらのキッチンは、腰壁と天井の壁でダイニングと仕切られているセミオープンタイプです。腰壁にはタイル張りのカウンターが取り付けられています。手元を隠して生活感を排し、料理の受け渡しがスムーズにできるように機能性を重視した造りです。

キッチンには外に出るための扉がついていて、直接出入りできるようになっています。キッチン内部はさながら飲食店の厨房のよう。内装をステンレスで統一したクールで清潔感のあるたたずまいです。

料理をしながらダイニングの様子が見えるようになっているため、家族やお客様との団らんも弾みます。

家族に合った快適なキッチンを選ぼう

2型キッチンは、収納、機能、デザイン性のどこをとってもメリットが多いキッチンです。小さなお子様がいる方や、ホームパーティを開催することが好きな方にぴったりのキッチンです。

しかし、そのレイアウトや床材選びに注意しないとせっかくの2型キッチンの使い勝手が悪くなってしまうことも考えられます。2型キッチンの特徴について知り、家族や自分に合った快適なキッチン空間にしましょう。

どのようなキッチンが最適なのか分からない場合は、住宅実例を見てイメージを固めることをおすすめします。ぜひ無料の住宅作品集をご利用ください。

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