二世帯住宅に住む価値は?メリット・デメリットを紹介

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自分の家を持ちたいと考えて、住宅の購入を考えているという人も多いでしょう。しかし、金銭面や土地などの問題から購入をためらっている場合もあります。そのようなときに検討したいのが二世帯住宅です。

親世帯の土地を活用したり、二世帯でお金を出し合って注文住宅を建てたりなど、様々なメリットがあります。一方、二世帯住宅でうまく暮らしていけるのか不安に思う人も少なくないでしょう。

この記事では、二世帯住宅に住むことで得られる5つのメリットについて、詳しく紹介していきます。

二世帯住宅に住むメリット

二世帯住宅に住むメリットとは
CASE635 三角屋根でつながる家

二世帯住宅には、日常生活から経済面、税制面までさまざまなメリットがあります。ここでは、二世帯住宅の主な5つのメリットについて解説します。

日頃の協力をしてもらえる

二世帯住宅のメリットとして大きいのが、日ごろの協力をしてもらえることです。

共働きをしていたりパートや子どものイベントなどで忙しくしたりしている人も多いでしょう。そのようなときに、日常の家事を頼むことができます。忙しくて手が回らない場合でも、掃除や洗濯、料理といった家事を親世帯に任せることができるので、スムーズに日常生活を送ることができるのです。

子どもを親世帯に預かってもらえるのもメリットのひとつです。保育園や幼稚園の送迎、学校から帰ってきた子どもの面倒を見ることは、働いている子世帯には大変な負担になってしまいます。それらを親世帯に任せられることで、共働き世帯には大きなサポートになるでしょう。子どもが風邪を引いた場合などでも、親世帯が見ていてくれることで安心して仕事ができるので、精神的にも経済的にも安定します。

もちろん、親世帯の体調が悪かったり旅行に行って不在の場合など、子世帯にサポートや掃除などを頼めます。いずれ親世帯に介護が必要になっても、同じ建物に住んでいるので安心でしょう。

さらには、ペットがいると旅行に行きにくい、長期間家を空けるのは泥棒の心配があると考えている人も多いでしょう。そのような場合に、親世帯か子世帯どちらかが家に残っていれば、心配することなく旅行に行けます。

精神的な安定がある

側にいることで精神的な安定を手に入れることもできるでしょう。

離れて暮らしていると、お互いに心配事は尽きません。健康面で問題はないか、しっかりと生活ができているのか、気になってしまうことも多いでしょう。電話などで様子を知ることができるとはいっても、顔を見なければわからないこともあります。その点、二世帯住宅で一緒に住んでいれば、常に相手の様子を感じ取ることができます。病気や異変にも気づきやすいので、心配や不安になることも少なく安定した生活を続けられるのです。

二世帯住宅は子どもの成長にもプラスに働きます。親世帯と子世帯の関係を子どもが日ごろから見ていることで、自然とお年寄りを敬う心が芽生えたり礼儀正しくなったりするでしょう。普段からお年寄りと接する機会がないと、どう接していいのかわからない、何をしてあげればいいのかわからない、といった問題が出ます。しかし、二世帯住宅で暮らしていることによって自然と身につきますので、ほかのお年寄りにも優しく接することができるようになるでしょう。

親世帯のメリットとしては、生活の張り合いが生まれることも大きいです。子どもや孫といった若い世代と一緒に暮らすことで、若々しい気持ちでいることができます。孫と遊ぶことで体力も付きますし、子世帯に頼られることでやりがいも感じられるでしょう。

経済面で助かる

二世帯住宅は、経済面でのメリットも大きいでしょう。土地や資金をお互いに出し合えるので、それぞれの負担が少なくて済みます。

二世帯住宅の場合には一般的に、親世帯の持っている土地に子世帯がローンを組んで家を建て替えるといったケースが多いです。子世帯は土地購入の資金が浮くことになりますし、親世帯は少ない自己資金で家を建て替えることができるので、双方にとってメリットがあります。

親世帯は、交通の便や環境の良い場所に土地を持っているケースも多いです。条件のいい土地はそれだけ土地代が高くなりますが、親世帯が持っている土地を提供してもらうことによって土地代という問題を解決できます。資金的にも余裕ができますから、暮らしやすい住宅を作ることができるのもメリットです。

建築費や土地代だけでなく、建物のメンテナンス費用を分担することもできます。住宅に長く暮らしていると定期的なメンテナンスはつきものですが、その費用は安くはありません。二世帯住宅ではメンテナンス費用を分担することで、負担を軽くすることができます。

また、生活が重なる分、水道や光熱費、食費などの普段の生活費も削減できるでしょう。ただし、資金の分担のあり方についてはしっかりと話し合っておく必要があります。

二世帯住宅における費用相場や経済的負担を抑える方法などについて、こちらの記事もご参照ください。

注文住宅の「二世帯住宅の価格」特集

税金が節約できる

税金の節約という面でも二世帯住宅は役立ちます。

まず、相続税対策になる場合があります。二世帯住宅の場合には「小規模宅地等の特例」が適用されるのです。小規模宅地等の特例とは、相続する居住用、事業用の土地などに対して一定の面積まで相続税の評価額を減額するものになります。これは、親と同居していた人、二世帯住宅に住む人に適用されるもので、80%も減額されるのです。減額対象となる宅地の面積は土地の用途によって異なり、居住用の場合は最大330㎡と決められています。

ケースによっては相続税がかからない場合もあるので、税金の節約になるでしょう。この特例を適用してもらうためには、相続税申請書の提出が必須になるので忘れないように気を付けましょう。

また、二世帯住宅の優遇措置を受けられる可能性もあります。二世帯住宅にすることによって、不動産取得税、土地や建物の固定資産税の軽減といった優遇措置が受けられるのです。この優遇措置を受けるためには、建物の構造が二世帯に分かれていることが条件になります。

二世帯に分かれているというのは、世帯ごとに専用の玄関がある、キッチンやトイレが分かれている、というようにそれぞれの世帯で独立して生活できる構造になっていることを指します。お互いに玄関やキッチンなどを共有する場合には適用されませんので注意しましょう。

補助金が受けられる

二世帯住宅を建てる際に、補助金制度を利用できる場合があります。ここでは、「すまい給付金」と「地域型住宅グリーン化事業」を紹介します。

すまい給付金は、消費税率引上げによる住宅取得者の負担を目的とした給付金制度です。住宅ローン減税の負担軽減効果が十分ではないと判断されるケースが対象で、一定期間内に契約、入居を完了している必要があります。給付額は、住宅取得者の収入と不動産登記上の持分割合により決まります。

地域型住宅グリーン化事業は、木造住宅の生産体制の強化や環境負荷の低減を目的とした補助金制度です。地域の中小工務店グループに依頼し、要件を満たす木造住宅を新築する場合に申請できます。対象となる木造住宅や建築物の種類によって補助金額が異なりますが、最大50万〜140万円が支給されます。

二世帯住宅に住むデメリット

二世帯住宅に住むデメリットとは

メリットの多い二世帯住宅ですが、デメリットも知った上で検討することが重要です。ここでは、二世帯住宅の主な3つのデメリットについて解説します。

プライバシーの確保が難しい

両世帯が同じ建物に住む二世帯住宅では、お互いの生活の様子がわかってしまうため、プライバシーを確保しにくいというデメリットがあります。

また、居住人数や共有スペースが多いと、使用するタイミングが重なってしまい、自由に使えないことがストレスとなる可能性もあるでしょう。直接顔を合わせなくても生活音で気配を感じてしまうため、プライバシーに配慮した間取りを考えることが大切です。

生活リズムの違いにストレスを感じることがある

世帯ごとに生活リズムが違うため、生活時間のズレがストレスとなる場合もあります。例えば、子世帯が遅くまで起きていて親世帯がストレスを感じる、もしくは親世帯が早朝から活動していて、まだ寝ている子世帯がストレスに感じる、といったケースです。

細かいことが積み重なって問題に発展する可能性もあるため、事前にお互いの生活習慣を話し合う場を設けましょう。決まりを作るなどの対策により、お互いの快適な暮らしの実現につながります。

費用負担でトラブルになる可能性がある

二世帯住宅では、光熱費や税金、メンテナンス費の支払いに関してトラブルになる可能性があります。水道や電気、ガスなどのメーターを世帯ごとに設置できればそれぞれの使用量が明確ですが、設備を共有する場合は使用量が偏ったなどで不公平さを感じることもあるでしょう。

各世帯でどのように負担するのか、事前にしっかりと話し合うことが大事です。

二世帯住宅の間取りは3つ!それぞれのメリット・デメリット

二世帯住宅の間取りは3つ!それぞれのメリット・デメリットとは

二世帯住宅の間取りには、「完全同居型」「一部共有型」「完全分離型」の3タイプに大別されます。それぞれの間取りのメリット・デメリットについて解説します。

完全同居型

完全同居型は、お風呂やトイレ、キッチン、リビングなど、生活に必要な設備や部屋のすべてを共有するタイプで、各人の個室を設けます。

世帯間のコミュニケーションがとりやすい上、設備が1つずつのため建築費用を抑えやすいでしょう。また、将来一世帯になった場合にも、そのまま暮らせる点はメリットです。

デメリットとしては、プライバシーの確保が難しい点が挙げられます。また、世帯別の光熱費を把握しにくいため、費用負担で揉めることのないよう事前にルールを決めておくなどの対策が必要です。

一部共有型

一部共有型は、玄関や風呂など、一部の設備を共有するタイプです。両世帯の生活空間を適度に分けており、プライバシーを確保しながら程よい距離感を保てます。

また、完全同居型よりも間取りの自由度が高く、完全分離型の二世帯住宅と比べると建築費用を抑えやすい点がメリットです。

ただし、すべての設備を完全に分けるわけではなく、ある程度は他の世帯への配慮が必要になります。また、光熱費をどのように折半するか、あらかじめ決めておくことも重要です。

完全分離型

完全分離型は、玄関、風呂、トイレ、キッチン、リビングなどを世帯ごとに設置し、生活空間を完全に分けるタイプです。別の世帯として暮らせるため、希望の間取りやライフスタイルを実現しやすいでしょう。また、水道光熱費を明確に区分でき、揉める心配もありません。

一方で、2つの生活空間を作るため、建築費が比較的高額になります。特に建物を左右に分ける場合、より広い土地が必要となり、初期コストが高くつきます。

メリット・デメリットを理解して二世帯住宅を検討してみよう!

このように、二世帯住宅にはさまざまなメリットがあります。金銭面だけでなく、生活面で助け合えるというメリットもありますから、二世帯住宅を検討してみてはどうでしょうか。

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