家を建てる際、満足度を決めるポイントとなりやすいのが収納スペースです。その分だけ、失敗したときにも不満の種になりやすいため、家づくりでは収納スペースの考慮は欠かせません。
収納は押し入れやウォークインクローゼットのような作りつけの物だけでなく、タンスや食器棚、書棚などもありますからトータルで考える必要もあるでしょう。
そこで、実際の住宅購入者が後悔している点や満足している点をご紹介しながら、収納のポイントをご紹介します。
後悔している人は多いの?住宅の収納に関する意識調査!
まずは、収納スペースについて満足している人と不満を持っている人ではどちらが多いのかアンケートを取ってみました。
【質問】
自宅の収納スペースには満足していますか?
【回答数】
満足している:83
不満がある:89
調査地域:全国
調査対象:20代以上の男女
調査期間:2017年03月31日~2017年04月06日
有効回答数:172サンプル
不満がある人が過半数
今回のアンケートでは、不満があると答えた人が若干多いという結果になりました。
不満を持っている人のコメントは次の通りです。
・完全に失敗しました。押し入れやクローゼットが狭すぎました。
設計図の段階では、本当に押し入れやクローゼットのスペースは分かりにくいです。(40代/会社員/男性)
・収納スペースを取るために、2階への階段を曲げてしまったため、2階への荷物の運び込みが厄介になった。(30代/専業主婦・主夫/女性)
・クローゼットの場所や形によって、他の家具の配置場所がなくなってしまうので、作るならラックや長いコート類を収納しても残りのスペースが無駄にならない様な広さ、形にしてもらうべきでした。(50代/専業主婦・主夫/女性)
不満の内容としては、収納スペースが少ないというものが圧倒的に目立ちました。
「収納について考えておけばよかった」という意見と「収納は意識したつもりだったが足りなかった」という意見に分かれます。
また、収納スペースを設けても、設置する場所によっては邪魔になったり使いづらかったりするという意見も見られました。一方、満足しているという人のコメントは次の通りです。
・ちょっとしたすき間も全て収納スペースにしたり、和室の床下が全て収納スペースだったりと、使いきれないくらいの収納を作ったからです。(40代/専業主婦・主夫/女性)
・各部屋に収納があるし、階段の下などのデッドスペースもうまく活用できているから。(30代/パート・アルバイト/女性)
・納戸・押入れや天袋、クローゼットはしっかり取りました。
また、食器棚や書棚の設置も考慮した間取りにしましたので、収納は困っていません。(40代/会社員/男性)
満足している人の意見を見ると、余分なくらいに収納スペースを取っても、実際に住んでみるとそれでちょうどよいくらいになることがわかります。
また、作りつけの収納スペースだけでなく、後で設置する収納家具のスペースも考慮したほうがよいこともうかがえました。
今回のアンケートの結果、やはり建てた家の満足度を高めるためにも、収納スペースの確保は重要なポイントになるようです。
では、新築時によくある失敗例を見ていきましょう。
収納スペースが足りない?新築にありがちな失敗例
新築の家に住み始めてから気が付くことが多いのは、しまいたい物が収納に入らないという失敗です。
注文住宅で新築する場合、最初から収納スペースのことは全く考えなかったという人はいないでしょう。それなのに、収納スペースが足りなくなるのにはいくつか理由があります。
たとえば、奥行きや幅が足りないという失敗があります。昔ながらの押し入れと比べて、今どきの押し入れは奥行きが短いことが多く、収納できる布団などの量が少なくなることがあり得ます。
築年数の古い団地などには奥行きのある押し入れがある上に天袋もあり、多くの荷物が収納されている場合もあります。そのような借家から新築の家に荷物を運び込むと、前の住まいのほうが物はたくさん入ったなどということがよくあります。
また、収納スペースの形状や使い勝手が悪くて物が入らないというケースもあります。たとえば、階段下のデッドスペースに収納を作ってみたけれど、奥行きがあっても奥のほうまで入ることができないため、ほとんど使える部分がないというのが代表的な失敗例です。逆に、十分に収納スペースを確保したのに、出し入れしにくくて使えないパターンもあります。
具体的な失敗例としては、壁一面を収納にしたのに、棚割りを細かくし過ぎて入れられるものが限られてしまったというケースです。
作りつけ収納の扉を引き戸にしたためにタンスや食器棚など収納家具の置き場所が無くなり、収納スペースが減ってしまったという失敗例もあります。
失敗しないために!収納で意識すべきポイントは?
新築の収納スペースを考えるとき、意識するのは収納スペースの割合ではありません。建物全体の何%が収納になっているかだけでは十分な収納スペースが確保できているとは言えないからです。
たとえば、部屋によって収納したい物が違います。しまいたい場所に収納スペースがあってこそ使える収納と言えます。部屋によって棚や引出しが必要なところと、逆に棚があると邪魔になるところがあります。
空間の大きさだけではなく、使い勝手の良さも兼ね備えていないと、十分な収納があるとは感じられません。
また、デッドスペースを収納に活かすことは大事ですが、何を入れられるか考えないと、文字通りのデットスペースになってしまいます。奥行きがあっても奥まで使えないのであれば引出しを付ける必要があるでしょうし、重さのあるものを収納するのであれば低い位置でなければ出し入れできません。
もちろん、収納スペースであっても動線を考える必要はあります。キッチンに床下収納を作ったとしても、食器棚や冷蔵庫を置くスペースを考えずに設置したために、開けられなくなってしまうケースも実際にあります。
機能的に使えてこその収納であるということを忘れてしまうと後悔することになります。
まとめ
新築の場合、使える収納をどれだけ用意できるかで満足度が変わります。
いくら収納スペースを用意したつもりでも、ただ物を入れられる空間を用意しただけでは、住み始めてから不満を感じる可能性が高くなります。
どんなものを収納しなければならないのか、事前にきちんとシミュレーションしておくことをおすすめします。長さのあるものや重さのあるものは、収納できる場所が限られます。
しまいやすく取り出しやすい収納にすることも大切です。
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