地震に備える保険!地震保険の相場は住むところで決まっている?

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日本は地震大国といわれます。日本列島の下はプレートとよばれる巨大な岩の密集地帯であり、移動してぶつかり地震を引き起こしているからです。
東海地震、南海地震、首都直下型地震などが近く発生するであろうと予想されているため、住宅を建てる際に検討しておきたいのが「地震保険」です。
地震保険に加入していれば、地震が引き起こした建物の崩壊、火災・津波による被害などの補償を受けられます。
万一の場合に備えられる地震保険の基礎知識と保険料の相場を解説します。

 

地震保険のポイントとは?

CASE486 デザインへの挑戦

財務省のホームページには、地震保険の概要について「地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失による被害を補償する地震災害専用の保険」と書かれています。
関東大震災(1923年)や新潟地震(1964年)においては、火災保険が実質上、罹災者の役に立ちませんでした。これを受けて1966年に制定された「地震保険法」に基づき、地震保険は運営されています。
地震保険の特徴は、販売しているのが民間会社であるのに対し、一定水準を超えた保険金の支払いは政府であることです。官民一体の保険制度といえるでしょう。

なぜ、このような保険制度になっているかといえば、支払いが巨額となり、損害保険会社では支払いができなくなる可能性があるからです。
そこで、一定水準以上の保険金は政府が負担することを定めました。もちろん、政府も無料で保険金を支払うわけではなく、再保険というしくみで政府に預けられ、支払いに備えています。

 

地震保険は、どの民間会社で加入しても同じです。官民一体の保険制度で運営している保険であり、補償内容も一律のためです。
また、公共性の高い保険のため、自動車保険や生命保険などのように、保険料に保険会社の利益をつけられないという理由もあります。
ただし、住んでいる場所によって保険料は異なります。たとえば、地震が発生しやすい東京都、神奈川県に比べ、地震が発生しにくい岩手県、福岡県は年間保険料が3分の1ほどです。住む場所の保険料を一度確認しておくといいでしょう。

地震保険は火災保険を契約したときにオプションとして加入します。したがって、地震保険単独では契約できません。勘違いしやすいため注意しておきましょう。

 

知っておきたい地震保険料のしくみとは?

地震保険は特殊なので、保険料の流れも普通の保険とは違います。地震保険に契約すると、保険契約者は民間の損害保険会社に保険金を支払います。
損害保険会社は、この保険金の100%を日本地震保険株式会社に「再保険料」として支払います。
これは、地震による支払いの発生のリスクを日本地震保険株式会社に集約することが目的です。日本地震保険株式会社とは、再保険業務を営む損害保険会社です。

 

日本地震保険株式会社は、さらに「再々保険料」として、政府に約68%、民間の損害保険会社に約3%、自らの会社に約29%を支払います。この再々保険によりリスクが分散されます。
地震が発生すると、政府、民間の損害保険会社、日本地震保険株式会社が、それぞれ決められた限度額の範囲内で保険金を負担します。
損害額が1,153億円以内であれば、日本地震保険株式会社が地震保険の加入者に補償金を支払い、損害額が1,153~4,379億円の場合は、1,153億円を差し引いたうちの50%を政府、残りの50%を民間の損害保険会社と日本地震保険株式会社が支払う取り決めです。
損害額が4,379億円を超えると、その分については約99.7%を政府が支払うことになります。ただし、2017年1月現在の総支払い上限額は11.3兆円と定められています。
この取り決めは「再保険スキーム」と呼ばれ2016年4月1日以降に発生した地震に適応されていますが、今後変更される可能性もあります。

 

地震保険の補償内容と契約のしくみ

地震保険は単独では加入できず、火災保険のオプションとして契約します。単独で契約できないことは、保険会社に相談した際などにわかることなのであまり問題はないかもしれません。
しかし、「火災保険に加入したから地震保険にも入っているはず」と勘違いしてしまうと、万一の場合に補償を受けられないことになるので注意が必要です。

地震保険の保険金額は火災保険の30~50%となり、建物は5,000万円、家財は1,000万円までと上限が定められています。たとえば、建物の火災保険が1000万円なら地震保険は300~500万円であり、家財の火災保険が300万円なら地震保険は90~150万円となります。
ただし、保険会社によっては「地震上乗せ補償特約」などにより100%の補償を契約することも可能です。なお、賃貸マンションなどの住人は、家財の火災保険のみに入るのが通常です。一方、一軒家の場合には、建物と家財の両方に入ります。

 

保険料は住む土地によって変わりますが、建物によっても異なります。建物が耐火の鉄筋コンクリートなどであるか、非耐火の木造であるかによって被害の程度が違うためです。
たとえば、大阪府における保険金額1,000万円あたりの年間保険料の例では、鉄構造やコンクリート造の建物の場合は13,200円であるのに対し、木造の建物などの場合は23,800円と違いがあります。他にも、免震・耐震構造の建物の場合は割引が適用されるなど、建物の条件によって保険料は異なります。

 

補償が受けられるケースは、地震・噴火により建物や家財が被害を受けた場合です。また、地震が原因の火災・津波・洪水などにも保障が適用されます。
たとえば、河川の堤防が壊れたことで洪水が発生して建物が流されたり、地すべりが発生して建物が倒壊したりしたケースなどです。噴火による火山灰の影響や爆風で、建物が壊れてしまったケースも補償の対象になります。

ただし、地震が原因であれば全てを補償してくれるわけではありません。たとえば、地震で食器が壊れたとしても、家財の10%以上が被害を受けていなければ一切補償されません。
また、高額の絵画が燃えた場合でも、ぜいたく品の扱いを受けると補償外になります。また、家財は10%でしたが、建物の被害は3%以上なら補償されるなど、細かなルールがあります。補償が適用されるケースは、一度、詳細を確認しておいた方がよいでしょう。

 

地震保険料は住むところで決まる!

CASE396 スゴイイエ

地震保険料は、住んでいる場所によって大きな違いがあります。その反面、公共性の高い特殊な保険のため、保険会社によって違いがないという特徴があります。
地震保険料を検討する際には、自分の住んでいる都道府県の保険料をチェックしておきましょう。また、住居の構造、条件においても差が出ます。
たとえば、耐火・非耐火によっても保険料は倍近くの違いがあります。このため、新築するのであれば、木造より鉄筋やコンクリート造の方が保険料は安くなります。
また、免震構造などにより割引が適用される場合があることも覚えておきましょう。注文住宅の場合には、地震対策においても自分の要望を設計会社に相談し、取り入れてもらえるのがメリットです。
そのため、地震に強い家に住みたい人には、注文住宅が向いているといえるでしょう。地震の多い国の住人として、家を建てる際には、地震と地震保険料についてしっかりと考えておきたいものです。

 

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