小上がりの和室のメリットとデメリットは?実例から学ぶおしゃれなつくりかた

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小上がりの和室はあったほうがいい?メリットとデメリットまとめ

大きな和室は要らないけれど、ゴロッと横になれる畳スペースがあると落ち着くという人は少なくありません。そこでおすすめなのが小上がりの和室です。

小上がりとは飲食店などでよく見られるもので、椅子席のあるフロアよりも一段高い場所に設けられた座敷のことです。一般住宅の場合には、リビングなどのフローリングの床よりも一段高い場所に設けた和室のことを言います。

和室をご検討いただく方に多い疑問点として、一般住宅での小上がりの活用法や段差の適切な高さなどがあります。

ここではそんな疑問に答えつつ、小上がりの和室を設ける魅力や上手な活用法を建築実例つきで解説します。

小上がりの和室の魅力やメリットは?

小上がり和室とは、床面の高さを上げて作られた和室のことです。

小上がり和室はフローリングのリビングの一角に配置され、床面の高さはリビングの床より20㎝~40㎝程度上げるのが一般的です。床下の空きスペースを収納場所として利用することも可能です。

小上がりの和室には一般的な和室にはない次のようなメリットが考えられます。

段差部分に腰をかけてくつろぐことができる

和室の入り口部分に座布団などを置いてソファー代わりに使える点は、フラットな和室にはない魅力です。

フラットな床の和室は畳に直接座ることになるため、スムーズに立ち上がるのが難しい高齢者の方もいるかもしれません。

一方の小上がり和室はリビングの床より高い位置にあるため、入り口部分に座布団やクッションを置けば座ることができ、立ち上がりにも負担がありません。

空間が立体的になる

フローリングのリビングの一角に小上がりの和室を設けると、部屋が立体的になります。小上がり和室を設置して段差ができることで、リビングに奥行きのある空間を作れます。

立体感が生まれることでリビングにメリハリができ、一般的なリビングとは異なるおしゃれな空間に仕上げることも可能です。

リビングから和室へほこりやゴミが入りにくい

段差を設けることで、和室にほこりやゴミが入り込むのを防げます。小上がり和室はリビングの床面から高い位置にあることから、リビングのホコリやゴミが入りにくい特徴があります。

そのため、畳の上に洗濯物を広げて折り畳んだりアイロン掛けをしたり、家事にも利用できるでしょう。ほかには、子どものおむつ替えやお昼寝の場所として使用するのもおすすめです。

床に寝転がっている雰囲気にならない

フローリングよりも一段高いところに畳面があるため、畳に寝転がっても床に寝転がっている印象を受けにくくなります。

床に寝っ転がることに抵抗感があるという方にとっては、小上がりがあることで空間のメリハリができて、過ごしやすい空間になります。

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小上がりの和室のデメリット

小上がり和室には一般的な和室にはないメリットがある一方、バリアフリーに対応できない、小さな子どもの見守りが必要などのデメリットも考えられます。具体的には次のようなデメリットがあります。

バリアフリーにはならない

小上がり和室は家全体をバリアフリーにしたいという場合には向きません。バリアフリーとは、家の中の段差をなくして、転倒防止や車いすでの移動を可能にすることです。

小上がり和室を設置するとリビングに段差のある空間が生まれるため、バリアフリーに対応したい場合や将来介護が必要になる場合は小上がり和室は避けた方がいいでしょう。

お掃除ロボットの掃除が一度では済まない

段差があるため、お掃除ロボットを使って一度にリビングも和室もという掃除の仕方はできません。

リビングの床面と小上がり和室の2度に分けて掃除する必要があり、小上がり和室の床面を掃除する度に掃除ロボットを上げ下げする手間がかかります。

例えば外出中にリビングと小上がり和室の両方の掃除を終わらすことはできません。

乳幼児がいる場合には注意が必要

ハイハイや歩き始めの小さな子どもがいる場合には、常に目を離さないようにする必要があります。

小上がり和室はリビングの床面から30㎝前後の高さになっています。小さな子どもを一人きりにすると転落によってケガをするおそれがあるため、保護者は子どもに目を配ることが必要です。

家具の配置が難しくなる

小上がり和室では家具を置くスペースが限られてしまいます。リビングの一角に小上がり和室を設置した場合、ソファーや棚などの大型家具を置ける場所が決まってしまい、配置の自由度が下がる可能性があります。

例えば、小上がり和室からテレビを見られるようにする場合、テレビの配置は変えられなくなります。

フラットなときと比べるとスペースが少し狭く感じられる

段差があると、同じ広さでも少し狭く感じられることがあるようです。

小上がり和室はリビングのスペースをとってしまうため、十分な広さを確保しておかなければ狭さを感じてしまいます。開放感のある空間を演出したい場合は、広さや段差の高さをよく検討しましょう。

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どんなときに役立つ?小上がりの和室の必要性

小上がりの和室が役立つシーン

小上がりの和室が役立つシーンは様々です。

・疲れた時にゴロっと休める

・段差を用いて収納スペースが作れる

・来客時に応接スペースとして使える

・ヨガやストレッチなどに広々と使える

・天井までの高さに変化があるため、他の部屋とは違った居心地を味わえる

使い方のバリエーションが多いことも、小上がりの和室の特徴です。

小上がり和室は普段から使いやすい

小上がりの和室は、普段から使える和室になりやすい点が魅力です。実は、家を建てる時に和室を設けたのに、普段はまったく使っていないという家庭が少なくありません。客間として和室を用意すると普段誰も使わないということが起こってしまうのです。

せっかく和室にスペースを割いたのに、普段の生活に使わないというのはとてももったいないことです。

その点、小上がりの和室にしておけば、リビングの中の一つのスペースとして使う機会が増えるでしょう。疲れたときにちょっとゴロッと横になったり、座ったりできるようにしておくだけで、和室が普段使いのくつろぎ空間に変わります。

また、小上がりの段差をつけることで、リビングの一部分ではなく、独立したスペースとして認識しやすくなるのも小上がりの和室の魅力です。独立性が保たれるため、お客様が来たときにはお客様用のスペースとしても使いやすくなります。

小上がり和室は収納スペースとしても活用できる

小上がりの和室は、自然な形で収納スペースを創り出すのにも役立ちます。

小上がりになっている部分を引き出し収納にしたり、畳を扉代わりにして床下収納にしたりすることができます。幼児がいる場合、小上がりは危険だと思われがちですが、高さを工夫することで安全性を高めることもできます。

小上がりの和室は段差が小さすぎるとかえってつまずきやすくなり危険です。設置する場合は、目で見てはっきり段差があることが分かり、転んだときには手をつきやすい30~35cmくらいの高さが適当です。

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小上がり和室の実例

小上がり和室の具体的なイメージが思い浮かばず悩む方もいらっしゃるでしょう。ここでは、小上がり和室の3つの建築実例を紹介します。

実例①CASE684 ホビールームのある家

リビング・ダイニングと壁で仕切った小上がり和室がある2階建て住宅の実例です。小上がり和室は三方を壁で仕切っており、独立した空間になっています。庭に面する壁には大開口の窓を設置しているため、日中は照明を付けなくても明るさを確保できます。

注文住宅の家づくり | CASE684ホビールームのある家

実例②CASE546 ウォールナットとガラスの家

壁一面の本棚が備え付けられている小上がり和室が特徴的な3階建て住宅の実例です。本棚の正面には引き戸の収納が設置されており、その上に座って読書を楽しむことができます。また、床下のスペースを利用した大容量の引き出し収納も完備しています。

注文住宅の家づくり│旗竿敷地でも十分な明るさを確保した住居

実例③CASE305 光の通り道

小上がり和室の壁にスリットを入れて空間の奥行きを生み出している注文住宅の実例です。階段側の壁にスリットを設けたことで、階段に降り注ぐ自然光が差し込むようになっています。また、スリットを通じて階段が見えることで奥行きが生まれたため、壁を作ったことによる圧迫感を見事に解消しています。

注文住宅の家づくり | CASE305光の通り道

家づくりの疑問はプロに相談を

小上がりの和室には様々な活用法があることがわかり、使い道に関する疑問が解消されたかと思います。

一般的な和室ではなく、和室を小上がりにすることでリビングを立体的感のあるお洒落な空間にしたい、和室を日々の生活で実用したい、幅広い年齢の家族で過ごしたいと考えている方は、小上がり和室はおすすめです。

しかし、ご自身の生活スタイルに実際に合うのか、検討している注文住宅の間取りにうまく取り込めるのかなど、具体的な疑問も浮かんできたかもしれません。

フリーダムアーキテクツでは、お客様の疑問やお悩みに一つ一つお答えしながら理想の家づくりのお手伝いをさせて頂きます。ぜひ無料資料請求いただき、お気軽にお問い合わせくださいませ。

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