平屋の間取りはどう決めるべき?まずは家事動線から考えて暮らしやすい家を建てよう!

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平屋の間取りを決めるときに家事動線から考えるのも一つの方法です。家事動線が良い間取りであれば家事がしやすく、住み心地の良い家になるでしょう。

この記事では、家事動線の良い間取りにするための考え方や、家事動線を良くするためのポイントを解説します。家事動線の良い平屋の建築実例も紹介しているので、あわせて参考にしてください。

家事動線の良い間取りの考え方

家事動線の良い間取りの考え方とは

家事動線が良い家とは、どのような間取りを指すのでしょうか。家事動線の良い間取りの考え方を解説します。

家事動線はシンプルを基本に!

家事動線を考える際にポイントになるのは、室内の移動が楽かどうかです。

たとえば2階建て住居で、1階に洗面所やトイレなどの水回り、2階にベランダがあるとします。この場合、1階で家族の衣類を洗濯したら、2階まで上がってベランダで干すことになります。

またキッチンに収納がなく、まとめ買いをした食料品をしまうための納戸が離れているとします。この場合、もし料理中に足りない食材があったら、納戸まで食材を取りに行き、キッチンに戻って来て料理を続けることになります。

これら2つの例だと、今いる場所から目的の場所まで行ったり来たりしなければならず、シンプルな動線とは言えません。移動が少なく家事の時間短縮にもつながる動線として、すべての家事動線が一直線であることや、フロア内を円状に回れる回遊動線があります。

どちらがよいかは敷地の広さや形で変わってきますが、家事動線はあくまでもシンプルに考えるようにしましょう。

家事動線に配慮すると工事費の削減も可能に

お風呂に入るときに脱いだ服はすぐに洗濯したいものです。そのため、洗濯場、洗面所、浴室は隣接していると便利ですよね。実際に多くの住宅では、洗濯場、洗面所、浴室は隣り合って作られていることがほとんどです。

このように家事動線を考えていくと、必然的に水回りは1ヶ所に集中してきます。実は、水回りのスペースが集約していると配管の構造がシンプルになるので、結果的に工事費が安くなるというメリットがあります。

動線に配慮すると、毎日の家事負担を減らすだけではなく、費用対効果も期待できるのです。一般的に平屋の建築費用は高くなりがちだと言われていますが、こういった配慮をすることにより節約することが可能です。

また、水回りが1ヶ所に集中していると後のメンテナンスも楽になるので、その費用も安くすみます。

洗濯はやることが多いからこそ動線の優先順位を高く!

衣類の洗浄は洗濯機がやってくれるものの、それ以外の作業工程の多さが洗濯の特徴です。一般的な住居では、洗濯場で衣類を洗ったらベランダで干し、乾燥したら取りこんで部屋へ移動してたたみます。洋服によってはアイロンがけをして、家族のそれぞれの収納場所に運びしまって完了です。

ここで考えてほしいのは、これらの動線が複雑な住居だと時間も手間も余分にかかり日々の負担になってしまうということです。しかし、もしこの動線がシンプルであれば、効率的にすべての作業をこなせるでしょう。

例えば、洗濯機、室内干しスペース、アイロンがけ用の棚を設置してランドリースペースにしておけば、すべての作業がこのスペースで完結します。そして隣接させたウォークスルークローゼットにそのまま畳んだ衣類を収納もできるという、家事効率がのいい動線となります。

もし外で洗濯物を干したい場合は、勝手口からバルコニーに出られるようにするのもおすすめです。

ライフスタイルの変化にも合わせられるよう設計する

家事動線の良い間取りにするなら、現在の暮らしやすさだけでなく、将来の住みやすさにも配慮することが大切です。まず現在と将来に共通する考え方として、買い物の荷物の運びやすさや、洗濯物を洗う・干す・保管する際の流れを考慮するのがポイントです。

玄関や勝手口がキッチンまで遠いと荷物を運ぶ度に苦労します。洗濯機と物干場、クローゼットが離れた場所にあると洗濯物や乾いた衣服を持ちながら、行ったり来たりを繰り返さなければならなくなります。荷物や洗濯物を運ぶ際の動線が長くなれば家事が不便になりますが、年齢を重ねるとより負担になる可能性があります。平屋の間取りを検討する際は家事動線に合わせて設計するようにしましょう。

将来の住みやすさを考えた間取りにするためには、バリアフリーにも対応できる設計を検討する必要があります。バリアフリーに対応した設計であれば、段差でつまずく心配がなくなります。また、玄関のアプローチにスロープを設置すれば、将来車いすが必要になったときでも室内と屋外の移動がスムーズになります。

家事動線がよい間取りの具体的なポイント

家事動線がよい間取りの具体的なポイントとは

家事動線の良い間取りにするための具体的なポイントを3つ紹介します。

キッチンからの動線をよく考える

家事動線の良い間取りを考慮する際は、キッチンを中心にした動線を考えることが重要です。キッチンは調理や食器洗い、買い物の荷物の搬入など使用頻度が高い空間です。キッチンで作業をしながら、洗濯物を取りに行ったり物干場に移動して洗濯物を取り込んだりする方も多いでしょう。

そのため、キッチンから洗濯場や物干場への動線が長くなれば移動距離が増え、無駄な時間が増えてしまいます。キッチンを中心にして家事動線を考えれば家事がしやすい間取りを設計できます。

また、キッチンにはオープンタイプやアイランドキッチンなどさまざまな種類があるため、ライフスタイルや普段使用する家族に合わせて選びましょう。

動線を良くするウォークスルークローゼット

室内で歩くことができるウォークインクローゼットは、たくさんの衣類や物を収納することができます。両方向から入ってそのまま通り抜けることができるので使いやすいでしょう。

たとえば、家事動線や家族とのコミュニケーションを重視してフロアの中心部にリビングダイニングを配置すると、キッチンの裏にデッドスペースができることがあります。

この裏をウォークスルークローゼットとして活用し、その両隣に洗面所やパントリーを設置すれば、家事動線を一直線にすることが可能です。パントリーの横に土間を作って勝手口にすれば、まとめ買いをした食料品を直接パントリーやキッチンに運び入れることができ、家事の負担を減らしてくれるでしょう。

ウッドデッキとの動線も考慮する

ウッドデッキは、リビングの床の高さに合わせて設置するとリビングに広がりが出るため、開放感のある空間を演出できると人気です。その際は、キッチンや洗濯場との動線も考慮すると利用しやすくなるでしょう。

リビングに配したウッドデッキは、子どもの遊び場としてや、DIYやバーベキュー、洗濯物を干す場所として重宝します。ウッドデッキとキッチンの動線に配慮すると、バーベキューの食材やお皿などをキッチンから運びやすくなります。また、洗濯物を干す際にウッドデッキまで行きやすくするために、洗濯場とウッドデッキの動線も考慮するといいでしょう。

ただし、ウッドデッキは経年劣化によってメンテナンスや修繕が必要になる場合もあるため、メンテナンスの頻度や修繕費用などを確認しておきましょう。ウッドデッキのメリット・デメリットを踏まえたうえで、設置を検討することをおすすめします。

家事動線が良い間取りの平屋の建築実例

家事動線が良い間取りの平屋にしたいものの、具体的なイメージが湧かないという方も多いでしょう。ここからは、フリーダムで実際に建てられた平屋の建築実例をもとに家事動線が良い間取りを紹介します。

子どもがのびのび遊べる平屋住宅

子どもがのびのび遊べる平屋住宅

平屋特有の横に長い空間を利用して、広々としたウッドデッキを中庭に設置した家の建築実例です。ウッドデッキとLDKはフラットにつながっており、子どもが長い廊下を走り回ったりウッドデッキを遊び場にしたりと、のびのび過ごせる空間となっています。ランドリールームとウッドデッキは隣接しているため、洗濯物を干したり取り込んだりするのに便利です。

注文住宅の家づくり|CASE711 「遊」・「作」

家族の気配を感じられる平屋住宅

家族の気配を感じられる平屋住宅

親子世帯の各棟を独立させ、新しい二世帯住宅の在り方を実現した平屋の建築実例です。各棟は設計上で独立しているものの、共有スペースの物干場でコミュニケーションを取れるような間取りに工夫されています。子世帯のLDKには、DJの機材が置かれたスキップフロアや天井から吊るしたハンモックが設置されており、家で過ごす時間を楽しめるアイデアが満載です。

注文住宅の家づくり|CASE635 三角屋根でつながる家

コンパクトな敷地を感じさせない平屋住宅

コンパクトな敷地を感じさせない平屋住宅

コンパクトな敷地を感じさせない、開放感のある平屋の建築実例です。家の南側にあるウッドデッキは大開口の窓があるLDKに隣接させているため、アウトリビングとして活用するのも良いでしょう。また、木製のフェンスが目隠しとなり、プライベートな空間が守られています。玄関に設置された窓からウッドデッキへ通り抜けられるように工夫されています。

注文住宅の家づくり|CASE447 CASA Oltremare

毎日行う家事だからこそ、楽な動線を考えよう!

家事は毎日行なうものだからこそ、楽にしたいですよね。特に小さい子どもを抱えていたり働きながら家事をこなしていたりする場合は、なおさらです。シンプルな家事動線を基準に間取りを考えると、日々の暮らしが快適になったり建築コストや定期メンテナンス費用の削減につながったりします。

一般的に平屋は敷地面積が必要だと言われますが、家事動線を考えたうえで間取りを考えていけば、限られたスペースでも十分過ごしやすい住宅にすることができるのです。暮らしやすい生活動線を実現するために、具体的にどんな間取りが自分達に合っているのかお悩み中の方もいらっしゃるかと思います。

そんな方は、ぜひフリーダムの住宅作品集をご参考にしてみてください。約40例の写真や間取りなどの情報が詰まった住宅作品集をご覧いただくことで、アイディアのヒントが見つかるかもしれません。平屋をまとめた事例もありますので、ご興味がございましたら、ぜひ下記のフォームよりお申込みください。

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