洗面台に必要なコンセントの数や位置、安全対策とは?新築時に押さえたいポイント3選

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CASE747 濃漆喰の家

新築住宅を建てる際、いずれの部屋も使用する家具家電をもとに配線を考えなければなりませんが、どこにどれだけ作ったらいいのか迷うことも少なくありません。

洗面所は意外と多くの電化製品を使う場所で、家の中でも特にコンセントの数や位置を気を付ける必要があります。

そこでこの記事では、洗面所で快適にそして安全にコンセントが使えるよう詳しく解説します。

どこに気を配るべき?新築の洗面所コンセント事情を徹底解剖!

まずは実際に家を建てたことのある人を対象に、新築時、洗面所のコンセントの配置で気を付けたポイントがあるかどうかについてアンケートをとったので詳しく回答を見てみましょう。

コンセントの位置や数を多めにつけるのがポイント

・コンセントの配置については、水を扱いますので水に濡れず、使いやすいことを考えちょっと高めの位置に設置しました。(40代/男性/正社員)
・できるだけコンセント数を増やして、使用可能電力も大きなものにしました。(50代/男性/公務員)
・洗面台とは逆側に付けることで、水が飛び散っても濡れないようにしています。(40代/男性/正社員)
・水を使うところなので下の方にコンセントを設置するのはやめました。あと、洗濯機が入るので、洗濯機から近い位置に別に一つコンセントの口を作りました。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・子どもたちが同時にドライヤーやヘアアイロンなどを使いたがったり、男性が多いと専用の髭剃りなどのコンセントが必要になったりするので、棚やその収納位置などの兼ね合いを考えてコンセントを複数設置する必要があります。(40代/女性/専業主婦)

【質問】
新築時に洗面所のコンセント設置で気をつけたポイントはありますか?

【回答結果】
フリー回答

調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月04日~2017年09月11日
有効回答数:139サンプル

回答結果を見てみると、建売住宅を購入した人や、工務店にお任せした人は「特に気を付けたポイントはない」とコメントしていましたが、多くの方が感電防止のため、ほかの部屋よりも高めに設置したと答えていました。

また、特に家族が多い人は朝の混雑を防ぐために、コンセントの数を増やしたり、一緒に洗面台を使う人の邪魔にならないような位置にコンセントを設置したりしているようです。

洗面台のコンセントを考えるときのポイント

洗面台のコンセントを考えるときのポイント

洗面台に取り付けるコンセントの数は、使用する人数や用途を考慮する必要があります。ここでは、洗面台のコンセントを考える際のポイントについて解説します。

忘れないで!洗面に必要なコンセントの数は結構多い!

一般的な家庭の洗面所で使う電化製品には、以下のようなものが挙げられます。

・洗濯機
・衣類乾燥機
・ヒーター
・扇風機(サーキュレーター)
・除湿機
・ドライヤー・ヘアアイロン
・電動カミソリ
・美顔器
・電動歯ブラシ
・入れ歯の超音波洗浄機
・アイロン
・コードレス掃除機の充電

洗面所で使う電化製品としては、洗濯機やドライヤー、電気カミソリなどがよくイメージされるでしょう。しかしそれ以外にも、身支度ではヘアアイロンや電動歯ブラシが使われますし、脱衣時にはヒーターや扇風機を使う人もいます。

さらには、洗面所で洗濯物を干している家庭では除湿機を置くなど、意外と洗面所に必要なコンセントの数は多いのです。

その一方で、洗面所についているコンセントの標準的な数は、洗面台回りと洗濯機周辺の2カ所です。これでは特に朝、家族が一斉に出かける時間にはコンセント不足に陥ってしまいます。

新築時には家族が日常的に使うものをしっかりリストアップしてから、コンセントの数を決めるようにしましょう。コンセントは洗面台の横と洗濯機周辺にそれぞれ最低2口ずつ、さらに洗面台に付属させるコンセントも2口設置すると朝でも混雑しづらくなります。

また、洗面台の収納内にコンセントをつけると、電気シェーバーや電動歯ブラシを収納の中で充電できるので見た目がすっきりします。

使いやすさや見た目に影響するコンセントの位置

コンセントの位置は使いやすさや見た目にも影響します。一般的には、洗面台のミラー収納の中や作業台の上に設置するケースが多いです。収納内のコンセントは、使用しないときに目につきにくく、入れ歯の超音波洗浄機や電動歯ブラシの充電にも重宝します。

作業台の上は、アイロンやコードレス掃除機のバッテリー充電などに最適です。必要に応じて、掃除機用に低い場所にもコンセントを設けることができます。

ただし、洗面台のすぐ近くのコンセントは、水はねによって濡れてしまう可能性があるので注意が必要です。また、コンセントがタオルかけと干渉しないかなど、実際に使う場面を想像しながら細かく調整すると良いでしょう。

気をつけたいコンセントの感電防止対策とは

気をつけたいコンセントの感電防止対策とは

洗面台は水を使う場所のため、感電対策が重要です。ここでは、コンセントの感電対策として、コンセント設置時に検討すべきポイントを解説します。

電気容量(ワット数)

洗面台付属のコンセントを利用する際は、使う電化製品の消費電力数をしっかり確認する必要があります。例えばドライヤーについて考えてみましょう。洗面台付属コンセントの標準的な使用可能電力が1000W前後なのに対し、ドライヤーの最大消費電力は1200Wのものが多いです。

普段日本国内でコンセントを使う際、使用電力を気にする人はそう多くないかもしれません。しかし、「ちょっとくらいなら大丈夫だろう」とワット数の合わない電化製品を使い続けてしまうと、最悪の場合火事になる恐れがでてきます。

ワット数が合わないことで火事になる仕組みは次の通りです。コードなどの電線に許容範囲以上の電流を流し続けてしまうと、電線が熱を帯びます。この状態で長い間電化製品を使い続けると、コードの表面ビニールが徐々に劣化し、ショートして出火してしまうのです。

家族の安全のためにも、特にドライヤーのように使用電力の高い電化製品を洗面所で使う際は、ワット数を確認したうえで壁のコンセント設置を検討しましょう。

電化製品の消費電力を一覧としてまとめました。コンセントの数を検討する際に参考にしてください。

電化製品消費電力の目安
洗濯機200~400W
掃除機1,000~1,100W
ヒーター500~1,500W
扇風機50~60W
除湿器160~300W
アイロン1,200~1,500W
ドライヤー600~1,200W
ヘアアイロン150~240W
電動歯ブラシ~2W
電動シェーバー~10W
美顔器2~280W

感電防止対策

洗面所は水を頻繁に使う場所なので、電化製品を使う際に安全面を意識している人はたくさんいますが、洗面所で電化製品を使うときには水以外にも気を付けなければならないものが埃です。毎日掃除する家庭でも、洗濯機の裏までしっかり掃除できるとは限らないでしょう。

また、埃に湿気が加わると熱をもちやすくなるため、ショートして火災が起きるリスクが高まります。これは洗濯機に限らず、電気シェーバーや電動歯ブラシなどの充電プラグも同様です。プラグを長い間差したままにすると、プラグに埃が溜まって火災の原因になる恐れがあります。

そのため洗面所のコンセントは高い位置につけることでゴミが溜まりにくいようにしたり、こまめにプラグを抜いてショートするのを防いだりすることが大切です。

そのほか洗面所を安全に使う対策として、アース付きコンセントやコンセントカバーをつけて埃ほこりや水濡れを防止するという方法もあるので、家庭にあった方法を取り入れてみましょう。

洗面所のコンセントが足りない!後から増設は可能?

洗面所のコンセントが足りない!後から増設は可能?

洗面台のコンセントが足りない場合、後から増設することは可能です。ただし、方法が複数ある上、デメリットや注意点について理解しておく必要があります。ここでは、洗面所のコンセント増設について説明します。

洗面所のコンセントを増設するメリット・デメリット

新築住宅の計画では決めることが多数あるため、コンセントの位置まで考える余裕がなくて「とりあえず一般的なコンセントの位置と数にして、後で増設しよう」と考える人もいます。

後からコンセントを増設することで、実際の生活に必要なコンセントの数を確保でき、快適に過ごせる点はメリットです。一方で、デメリットとして後から増設費用がかかることや、コンセントが多すぎると必要以上に電化製品を設置しやすくなる点などが考えられます。

また、使わない電化製品のコンセントにさしっぱなしにしてしまい、電気代が高くなる可能性もあるでしょう。

洗面所のコンセントを増設する方法

コンセントを増設する方法は、主に「既存の配線に接続する方法」と「分電盤から新たに配線を引く方法」の2つがあります。

洗面台の近くに既存の配線を分岐させて、コンセントを設置することが可能です。ただし、電圧が100Vのコンセントに限り、エアコンなどで使用する200Vは増設できないため注意しましょう。

電化製品が増えてコンセントが必要になった場合には、分電盤から新たに配線する方法が向いています。消費電力量の大きな電化製品を使う場所の場合にも、分電盤からの配線が一般的ですが、契約アンペアが不足してしまう場合は契約の変更が必要です。

洗面所のコンセントを増設するときの注意点

DIYでコンセントを増設したいと考える人もいるでしょう。原則として、屋内の電線工事には電気工事士2種の資格が必要です。資格がない場合は、事故を避けるためにも電気工事業者に依頼しましょう。

業者に依頼する際には、どこにコンセントが何個必要なのか、具体的に検討した上で明確に伝えることが重要です。

洗面所に設置するコンセントの位置や数で後悔しないためには?

洗面所に設置するコンセントの位置や数で後悔しないためには?
CASE758 Cool&Pretty

洗面所に限らず、住宅内のコンセントは後からでも増設できますが、設計段階で最適な配置や数が実現できていれば、追加費用や工事の手間を省けます。計画の時点で、コンセントの具体的な使い方について、業者へイメージを伝えておくことが大切です。

注文住宅の実績が豊富で、細部までデザインできる自由設計の設計事務所なら、コンセントの配置についても的確なアドバイスを受けられるでしょう。

安全性や使いやすさを考えて洗面所のコンセントを配置しよう

洗面所を設計する際に考えるべきことは、収納や湿気対策だけではありません。家族が気持ちよくスムーズかつ安全に身支度を整えることができるよう、新築前にコンセントの数や配置もしっかり考えましょう。

特に火災の原因となるコンセント使用については、ワット数が合わっていない、プラグを差したまま長く使用しているなどがあります。家の新築を機に、今一度しっかりコンセントの正しい使い方と家族の安心について考えてみてはいかがでしょうか。

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