セパレートキッチンの使い勝手は?メリット・デメリットを紹介

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一般的なキッチンと言えば、シンクとコンロ、作業台が並んでいるものですよね。しかし、シンクとコンロを敢えて別のスペースに配置し、調理のための作業をしやすくしたセパレートキッチンが注目を集めています。セパレートキッチンという名前を今回初めて聞いたという人もいるでしょう。

ここでは、一体なぜ別の場所に分ける必要があるのか、なぜ人気を得ているのか、どんなメリットやデメリットがあるのかについて詳しく解説します。

セパレートキッチンの認知度は?

セパレートキッチンが注目を集めてきているとは言っても、そもそもどれだけの人が知っているものなのでしょうか。セパレートキッチンについて知っているかどうか、どんなキッチンをイメージしているのかについてアンケートを取ってみました。

【質問】
セパレートキッチンとはどのようなキッチンか知っていますか?

【回答数】
知っている:30
知らない:70

調査地域:全国
調査対象:年齢不問・男女
調査期間:2017年07月14日~2017年07月21日
有効回答数:100サンプル

セパレートキッチンとはどのようなキッチンか知っていますか?

実は殆どが知らない?混同している意見も

アンケートの結果、全体の7割がセパレートキッチンを知らないと答えていました。

・アイランドキッチンのことかと思いました。(20代/男性/パート・アルバイト)
・セパレートとは別れているキッチンのように思う。(40代/女性/個人事業主・フリーランス)
・ダイニングと離れたキッチン単独の部屋のこと?(30代/女性/専業主婦(主夫))

セパレートという名前から分かれているものという意味は察せても、具体的にどのようなキッチンなのかは想像しにくいようです。ほかのキッチンと区別がつかなかったり、混同していたりといったケースもあることがうかがえます。

・シンクとコンロ、または調理場が分かれているキッチン。(20代/女性/正社員)
・アイランドキッチンと一緒だと思う。(30代/男性/正社員)
・台所とダイニングが完全に分かれているキッチンのこと。独立型キッチン。壁で仕切られていて、キッチンが他から見えない独立性がある。動線は切れてしまい、家事を複数こなすときに一度キッチンを離れないといけない。(40代/女性/専業主婦(主夫))

残りの3割は知っていると答えていました。
はっきりとセパレートキッチンについての説明ができる人もいましたが、なかには知らないと答えた人と同様に混同していたり、勘違いしていたりする人もいるようです。

アンケートの結果、セパレートキッチンについては知らない人のほうが多いことがはっきりとしました。知っていると答えた人のなかには誤解して認識している意見も少なくはなく、実はきちんとセパレートキッチンについて深く理解している人はごく一部のみだと見受けられます。

以上のことから、セパレートキッチンの認知度はまだまだ低いと言えそうです。

セパレートキッチンとは?

セパレートキッチンとは

セパレートキッチンの一番の特徴は、シンクとコンロの場所が1ヶ所にまとまっていない点です。形は直線的であるため、L型キッチンとは全く違うことははっきりとしています。アンケートの回答にもあったように、アイランドキッチンをはじめとしたほかのキッチンとの区別がつかない人は少なくありません。

一般的にはシンクと作業台の部分は壁から離れていますが、アイランドキッチンとは全く異なります。壁側にはコンロと作業台があるので、こちらは壁付のI型キッチンと混同しがちです。しかし、I型キッチンというわけでもありません。

もっとわかりやすく言えば、I型キッチンとアイランドキッチン両方の良さを兼ね備えたようなキッチンです。キッチン台は2つあり、片方でコンロを、もう片方ではシンクを使えます。作業台はシンク側でするのが通常ですが、コンロ横も作業台にすることも可能です。このように広々と使えるスペースを確保しているのがセパレートキッチンです。

また、キッチンによって価格も大きく異なっています。メーカーにもよりますが、スタンダードなタイプの場合、I型キッチンなら安くて50万円程度、アイランドキッチンなら70万円程度、セパレートキッチンの場合は90万円程度で高額です。

関連記事:使いやすい素敵なキッチンにしたい!レイアウトのポイントとは

セパレートキッチンのメリットは?

セパレートキッチンのメリットは?

セパレートキッチンにする大きなメリットは作業動線が短くなるという点にあります。全体が直線的ではなく2つに分かれているので、横に移動する必要がありません。必要に応じて振り返るだけで次の行程に移れますから、動線は非常に短いのが特徴です。

また、作業台としてのスペースは主に2つ作れるため、複数人での調理作業にも向いています。分担しながら調理ができますし、広々としたスペースなので、お互いに作業の邪魔になってしまうこともありません。

I型キッチンのように調理だけに集中したいというときには、壁側にあるキッチン台を主に使用することで対応できます。アイランドキッチンのように解放的に使いたい場合には逆に、壁から離れている側のキッチン台を主に使用すると良いでしょう。

このように、I型とアイランド型の両方にあった良さをセパレートキッチンでは活かすことができます。開放的でもありますから、家族とのコミュニケーションも取りやすいでしょう。

セパレートキッチンのデメリットは?

セパレートキッチンのデメリットは?

セパレートキッチンのデメリットは、シンクとコンロ間の移動が面倒に感じてしまう点です。横に移動する必要はありませんが、後ろを振り返らなければならないため、手間がかかると感じてしまいがちになります。

鍋や食材をシンクからコンロに移動する際には、一瞬キッチン台から離さなければなりません。そのときに手が滑ると床に落としてしまうというリスクもあるでしょう。調理器具や食材を床に落とすまではしなくても、水滴が床にポタポタとこぼれてしまいやすいのが難点です。こぼれる度に床を拭かなければならないので、セパレートキッチンは汚れやすいという見方もできるでしょう。

ほかにも、間取りとしてのデメリットも無視できません。セパレートキッチンはゆとりを持たせられるタイプではありますが、その分だけ面積を取ります。LDKのスペースを広く取れないと、キッチンの影響で部屋が狭くなってしまうという可能性もあるでしょう。

セパレートキッチンの価格

一言でシステムキッチンといってもその価格帯はさまざま。製品によって必要な予算は大きく異なります。

メーカーにもよりますが、スタンダードなタイプの場合、I型キッチンなら安い場合でも50万円程度を見込んでおく必要があります。なお、アイランドキッチンなら70万円程度・セパレートキッチンの場合は90万円程度が相場です。タイプによって価格が変わることに注意してください。

セパレートキッチンが高額になるおもな要因が、材料の量です。I型キッチンと比べ、セパレートキッチンやアイランドキッチンは材料が多くなるため、その分本体価格が高めに設定されます。

キッチンスペースの広さに合わせて、オーダーサイズにしたり、カスタマイズしたりする場合は、その分の費用も必要です。

セパレートキッチンのサイズ

セパレートキッチンのサイズとは
CASE727 ライトコートハウス

標準的なセパレートキッチンのサイズは、奥行き65cm・横幅255cm程度です。リビング側に水が飛び散るのを防ぐ目的で、広めの奥行きを確保されています。

セパレートキッチンのサイズは、キッチン台を設置するスペースの広さのほか、コンロとシンクの大きさや、それぞれどこに配置するかによっても変わります。シンクを大きくすると、大きめの鍋やフライパンも洗いやすくなりますが、その分作業スペースは狭くなるでしょう。コンロも同様に、大きめの3口コンロは便利な反面、その分場所を取るため注意が必要です。

生活スタイルやキッチンのスペースに合わせて、小さめのキッチン台を採用する、シンクのスペースを広く取るといったことも可能なので、希望があれば設計事務所に相談してみましょう。

使いやすいセパレートキッチンにするには?

I型キッチンとアイランドキッチン両方の良いところを活かしているのがセパレートキッチンです。しかし、デメリットでも挙げたように、鍋や食材の移動時に落としたり、水滴がこぼれたりといったリスクがあります。

この問題を解消するには、シンクとコンロの距離をちょうど良く調整することです。狭く感じてしまうかもしれませんが、シンクのあるキッチン台とコンロのあるキッチン台の距離を縮めることで動線をより短くできるでしょう。そうすれば、移動にかかる手間や時間、リスクの軽減に役立ちます。

また、どのような動線を描いていくのかについて予め想像しながら活用していくことも大切です。直線的なI型キッチンやアイランドキッチンに慣れている人にとっては、キッチン台が2つあるセパレートキッチンは混乱してしまう可能性があります。

せっかく動線を短くしても、一度混乱すると手は止まってしまいます。そうならないためにも効率の良いセパレートキッチンの使い方をシミュレーションしておくと良いでしょう。

関連記事:後悔しない2型キッチンのレイアウトのコツとは?おしゃれな間取り実例を紹介

おしゃれで使いやすい!セパレートキッチンの建築実例

「どのタイプのキッチンが良いのかイマイチピンとこない」という人は、実例を見ながらイメージを固めることがおすすめです。ここでは、フリーダムで手がけた注文住宅のセパレートキッチンを紹介します

木の温もりを感じるキッチン

木の温もりを感じるキッチン
CASE403 オリーブグリーンな家

こちらの事例では、床と調和した木目調のキッチンを採用しました。天板のカラーはホワイトをチョイスし、部屋全体に馴染むデザインに。

使いやすさにこだわり、リビング側・壁側のスペースは広めになっています。壁側のキッチン台は、3連コンロとオーブンを置いても余裕のあるサイズです。

キッチンの隣は広く空いていて、ダイニングテーブルを移動させればキッズスペースに早変わり。調理中でも子どもを見守ることができ、家族の一体感を損なわない間取りとなりました。

シンクとダイニングテーブルが一体化したキッチン

シンクとダイニングテーブルが一体化したキッチン
CASE749 dignified housing

こちらのキッチンは、モノトーンでおしゃれにまとまった内装が印象的です。広めの作業台と、内装に馴染み掃除のしやすいIHクッキングヒーターを採用しており、美観と実用性を兼ね備えています。

シンク側の作業台とダイニングテーブルが一体化しており、リビングのくつろぎスペースと食事エリアがそれぞれ独立した作りです。作業台で盛り付けた料理をさっと配膳できるため、食事の準備が効率的にできます。

動線をコンパクトにまとめたキッチン

動線をコンパクトにまとめたキッチン
CASE746 outlook

セパレートキッチンの強みの一つが、ダイニングと一体化させることで家事動線をコンパクトにまとめられることです。こちらのキッチンは、リビング側の作業台とダイニングテーブルが繋がった作りになっています。

できた料理をすぐに並べられ、使った食器もすぐにシンクに片付けられます。食べたあとの食器がテーブルに出しっぱなしになりにくい構造です。リビングを食事の場にしないので、生活感が出にくいのもメリットですね。

リビングにいる家族の様子を感じられる広々キッチン

リビングにいる家族の様子を感じられる広々キッチン
CASE742 STEP’s

こちらの家は、リビングとキッチンがひと続きの空間で繋がる開放的な間取りが特徴です。キッチンからリビングやスキップフロアの様子が見えるため、家族の気配を感じながら料理を楽しめます。

壁側とリビング側の作業台は、3口コンロとシンクを設置しても余裕のある、大きめのものを選びました。一人で使いやすいのはもちろん、子どもと一緒の料理でもストレスを感じません。セパレートキッチンのメリットである広さを最大限生かしたキッチンです。

狭小住宅で叶えるおしゃれなキッチン

狭小住宅で叶えるおしゃれなキッチン
CASE720 S×S

こちらの家は、分類上狭小住宅に該当しますが、内部は開放感のある広々とした空間です。キッチンには、部屋幅と同じ長さのキッチン台を採用することでスペースを確保しています。

キッチンの壁側には収納棚が設置されており、こだわりの調理道具や家電をすっきりとディスプレイ。リビング側の作業台は同じデザインのダイニングテーブルを設置しました。キッチン周りだけで食事作りと片付けが完結できる効率的な配置です。

インテリアに馴染むオーダーキッチン

インテリアに馴染むオーダーキッチン
CASE737 RUSTIC

こちらのキッチンは、施主様こだわりのオーダーメイド。木目調が美しく、温かいデザインが印象的です。

ポイントは充実の収納。壁側に配置された吊り棚には鍋や食器をディスプレイしながら収納できます。作業台下の収納スペースも充実しており、作業台が散らからないよう工夫されています。

セパレートキッチンならではの作業台の広さも魅力です。ストレスを感じることなく料理を楽しめます。

セパレートキッチンは使いやすさを重視している人にピッタリ

セパレートキッチンは動線の短さに優れたタイプのキッチンです。ほかのキッチンとは違い、キッチン台が2つあるため、I型キッチンとアイランドキッチン両方の良さを兼ね備えています。コンロとシンクのキッチン台が別々となっているため、調理器具や食材の移動には手間がかかりますが、2つのキッチン台の距離を近くすることで対策可能です。

上手く活用できれば調理時間を大幅に短縮できますし、家族や友人と一緒の料理も楽しくできるでしょう。使いやすさを重視しているのならセパレートキッチンの検討をおすすめします。「家族に合ったキッチンが分からない」と悩んでいる方は、ぜひ住宅の実例を参照してみてください。

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