北九州市の
注文住宅と建築実例

政令指定都市の一つである北九州市の面積は約492平方キロメートルで人口は2013～2017年の平均で96万人ほどです。ただ、1979年に1,068,415人を記録して以降は一貫して緩やかな減少傾向にあります。なお、北九州市は7区に分かれており、それぞれの人口は、小倉南区が約21万人、小倉北区が約18万人、八幡東区が約7万人、八幡西区が約25万人、門司区が約10万人、若松区が約8万人、戸畑区が約6万人となっています（参照：北九州市ホームページ【3. 人口】）
ちなみに、政令指定都市の中でも最も人口密度が低いのが北九州市です。そのため、大都市の割には混み合うことが少なく、1人あたりの公共施設面積が他の都市と比べて大きいのが魅力です。

一方、交通網が発達している点も北九州市の大きな特徴の1つです。市内には電車・バス・モノレールといった公共交通機関が張り巡らされており、どこに行くにも便利です。市内の移動であれば、通勤・通学・買い物などで不便さを感じることはまずないでしょう。また、北九州は九州と本州を結ぶ交通の要所であるため、全国どこでもアクセスしやすいという魅力があります。たとえば、小倉駅から新幹線を利用すれば、博多まで15分、広島まで50分、大阪まで2時間15分で到着できるといった具合です。

さらに、北九州空港を利用すると、名古屋まで75分、東京までなら90分で移動することができます。そのほかにも、九州最大規模を誇る北九州港からは四国・大阪・東京行きのフェリーが出ているなど、北九州市には陸海空とあらゆる交通機関が集中しているのです。

北九州市は1963年に門司市、小倉市、若松市、八幡市、戸畑市の5市が合併し、5つの行政区を持つ政令指定都市として誕生しました。そして、1974年に小倉区が小倉南区と小倉北区に、八幡区が八幡東区と八幡西区に分かれ、現在の形になったのです。その7つの行政区の中でも北九州の中核をなしているのが小倉北区です。九州の玄関口である小倉駅を中心に、商業、流通、金融、情報、医療などの各施設が集中しています。また、小倉城周辺には庭園や文化施設が点在するなど、城下町としての側面もあります。

一方、小倉南区は自動車を始めとした産業の街です。古くは農業が盛んでしたが、戦後は新興住宅地として発展を遂げ、2006年には北九州空港も開港しています。若松区は洞海湾と響灘に囲まれた自然豊かな街です。市内で唯一の海水浴場があり、マリーンスポーツのメッカとして知られています。同様に、門司区も海の街です。三方を海で囲まれ、緑豊かな自然にも恵まれています。対岸の下関市とは最短距離でわずか680mほどで向かい合っており、壇ノ浦の戦いで知られた歴史的な地でもあります。

それらに対して、市のほぼ中央に位置しているのが戸畑区です。北側を区域面積の45％に相当する日本製鉄八幡製鉄所が占める製鉄の街で、残り半分の南側はなだらかな丘陵が続く比較的平坦な市街地となっています。この地は歴史及び文化施設が並ぶ落ち着いた雰囲気の住宅都市でもあり、福祉と文化に重点を置いた街づくりにも熱心です。また、福岡県の三大夏祭りの一つである「戸畑祇園大山笠」で有名な地でもあります。

八幡東区は官営八幡製鐵所関連施設を始めとした近代化産業遺産が数多く残されていることで知られ、環境分野や高齢者問題への先進的な取り組みでも注目されています。最後の八幡西区は7つの行政区の中でも最も人口の多い街であり、北九州市の副都心です。大学、短期大学、高等学校などが集中し、学園都市としてのにぎわいをみせています。同時に、小倉北区に次ぐ商業集積地でもあり、都心にあたる小倉と機能を分担しながら相互発展を続けているのです。

ちなみに、北九州市における高校の学区は第2学区と第3学区の2つです。県立高校の場合は基本的に、小倉北地区・小倉南区・門司区・戸畑区に住所があれば第2学区、若松区・八幡東区・八幡西区に住所がある場合は第3学区の学校に進学することになりますが、一部例外もあります。

北九州市は子育てのしやすい街として知られています。政令指定都市のなかでは数少ない待機児童0を達成し続けていますし、子育ての悩みに関する相談に応じてくれる保育サービスコンシェルジュが全区役所に配置されています。加えて、市内には100近い病院と約1000の診療所が点在しており、そのうえ、夜間や休日の小児救急体制も充実しているので、子どもの急な病気の際にも安心です。さらに、北九州市には児童の健全育成を図るために小学校区ごとに設置された「放課後児童クラブ」や国内最大級の絵本を所蔵する「子ども図書館」など、子どものための施設が数多く設置されています。

ただ、北九州市がある福岡県は治安の悪い地域とされることがあります。そのため、いざそこで生活するとなると、不安を覚える人も少なくないのではないでしょうか。しかし、過剰な心配は不要です。確かに、犯罪発生率自体は他の地域に比べると高いのですが、ほとんどの人はその土地で平和に暮らしています。犯罪が多いといってもそれはあくまでも国内レベルでの話であり、基本的には安全に生活を送れる街なのです。それでも、心配だというのであれば、治安の良い場所を選んで注文住宅を建てるという手があります。その場合、おすすめは八幡東区・門司区・小倉南区の3区です。

八幡東区は夜でも明るいため、治安は安定しており、薬局やイオンモールといった生活に欠かせない施設も数多くあります。また、門司区は時の流れがゆるやかに感じられる非常に穏やかな区域です。街並みが美しく、路上にゴミが落ちていないところなどにも治安の良さがうかがえます。さらに、小倉南区は教育レベルが高く、高級住宅街があることでも知られています。

北九州市には自然、歴史、文化などにちなんださまざまな観光スポットがあります。そのなかでも、北九州市のシンボルともいえるのが小倉城です。九州の要であるこの地に小倉城が建てられたのは1602年のことで、細川忠興によって建造されたといわれています。唐造りの天守閣が有名で、最上階の展望台からは小倉の町並みを360度見渡すことができます。周囲には300本の桜の木が植えられており、花見のスポットとしても有名です。

また、小倉城から徒歩数分の場所には小倉城庭園と松本清張記念館があります。小倉城庭園は大名屋敷を再現したもので、江戸時代の雰囲気を満喫することができます。敷地内には心安らぐ庭園が広がっており、そのうえ、当時行われていた茶の湯や茶会を実際に体験できるのが魅力です。一方、松本清張記念館では昭和を代表するミステリー作家、松本清張にまつわるさまざまな展示品や映像を観ることができます。

江戸時代を再現した小倉城や小倉城庭園に対して、明治や大正時代のレトロなムードを味わえるのが門司港レトロです。門司港は関門海峡に面した町なのですが、そこには100年以上前の建物が数多く残されています。その景観は美しく、国土交通省の都市景観100選を受賞しているほどです。料理店も数多くあり、焼きカレー・瓦そば・ふぐ料理などといったご当地グルメを楽しむことができます。

さらに、自然の豊かさを体感したいのであれば、平尾台は見逃せません。日本有数のカルスト台地であるこの地は独特な地形から天然記念物に指定されており、他の地では見られない動植物を目にすることができます。長さ700mに及ぶ千仏鍾乳洞や草原の中に羊の群れのような石柱が並ぶ羊群原もこの平尾台の中にあります。その他にも、関門橋、北九州市立美術館、菅生の滝などなど、北九州市には観光スポットが盛りだくさんです。注文住宅を建てるのであれば、時間のあるときに各スポットを回ってみることをおすすめします。