注文住宅で和室は必要?和室のメリット・デメリットや実例を紹介!

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新築住宅を建てる際の悩み!和室は必要なものなの?

家を新築するとき、和室を作るか作らないかで悩む人は多いようです。たしかに、現代の生活スタイルでは、和室でなければ困るといえるようなケースは少なくなっているかもしれません。

そのため、全室洋室の家を建てる人もいますが、それでも多くの人が和室を作るかどうかを最後まで悩むと言います。

そもそも和室は何のために作るのでしょうか?ここでは和室の必要性について解説します。

和室の魅力を考えてみよう!メリットは?

それではまず、和室のメリットをみていきましょう。和室に根強い人気があるのは、使い勝手のよさに理由があると言えそうです。

汎用性が高い

和室の一番のメリットは汎用性の高さです。1つの部屋が居間にも食事スペースにも、寝室にもなります。

座卓と座布団を置けば、応接室やリビングのような使い方ができる一方で、食事を運んできてそこで食べることもできます。座卓を避けて布団を敷けば、寝室としても使えます。

使い方が限られていない和室がひとつあれば、どんな目的で部屋が必要になっても困らない点が便利ということになります。

そのため、いざというときの客間として和室を確保しておく人が多いわけです。

転んでもケガをしにくい

畳は適度な柔らかさがあるため、転倒したときもケガをしにくいのがメリットです。畳は、表面のイ草、真ん中の畳床、下側のワラ床などで多層クッション構造となっており、適度な弾力性があります。

このため、赤ちゃんから幼児期の子育ての際に安心という声が多く聞かれます。ベッドに添い寝していると、寝ている間に動き回って落下してしまう恐れがありますが、和室に布団を敷いて寝かしておけば、こうした心配はありません。

また、高齢者が過ごす部屋としても、畳は足に優しく疲労感が少ないうえ、万一の転倒時も大事に至りにくい安心感があります。

リラックス効果がある

「和室にいるとなぜか落ち着く」「畳の香りが好き」という人は多いのではないでしょうか。

畳のリラックス効果は科学的にも証明されており、イ草に含まれるフィトンチッドは心や体を落ち着かせる森林浴と同じ効果があるということです。

学習効果も期待できることから、和室を子どものスタディスペースとして活用するのもいいでしょう。

湿度調整をしてくれる

畳に使われているイ草とワラは、吸水性に優れた素材です。

畳は湿度が高ければ部屋の水分を吸収し、湿度が低くなると中に含んだ水分を放出するため、部屋を快適な湿度に保ってくれます。高温多湿の日本において、和室はとても理にかなった様式といえるでしょう。

また、畳には湿気を吸い取るだけでなく、消臭・吸臭効果もあります。イ草は汗臭・タバコ臭、ペット臭などの成分を吸着し、イヤな臭いをやわらげてくれます。

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和室のデメリットは?

続いて、和室のデメリット面もみておきましょう。ライフスタイルによっては、メリットよりデメリットが大きく感じるかもしれません。

メンテナンスが必要

和室のデメリットは傷みやすく定期的なメンテナンスがの必要な建具が多い点です。

畳もふすまも障子も洋室の壁紙やフローリングと比べると傷みやすく、定期的に張り替えが必要です。障子やふすまの張り替えを自分でできる人が少なくなっている昨今、業者に張り替えを依頼することも増えています。その分だけ、余分な費用がかかるというイメージを持つ人がいるかもしれません。

一方、フローリングの床は簡単に張り替えられませんが、畳の張り替えは比較的簡単です。

定期的なメンテナンスが必要なことは、長く美しい状態を保てるという点ではメリットとも言えそうです。

スペースが狭くなる

和室を作らない理由として、LDKのスペースが狭くなってしまうことを挙げる人がいます。

和室の広さとしては、子どもを寝かしたり、洗濯物を畳んだりする小スペースだとしても、4畳くらいあったほうがよいでしょう。布団を3枚敷きたいならば、6畳が必要です。

このため、床の間や畳、障子、襖などを取り付けた、伝統的な和室をつくる人は少なくなりました。代わりに、LDKとオープンにつながる小上がり、畳スペースを選ぶ人が増えています。

置く家具によって畳にキズがつ

ベッドや机、タンスなど重いものを置いてしまうと、どうしても畳がへこんでしまいます。特に脚があるものは、脚部分に重さが集中するため、短い間でも跡になって残る場合があります。

また、子どもの乗り物系のおもちゃや、室内用物干のキャスターなどを引きずってしまうと、畳が傷んでしまうこともあるでしょう。こうしたことから、フローリングのほうが使い勝手がよいと感じる人もいます。

湿度が高い状態が続くとダニやカビが発生しやすい

畳は吸湿性が高い反面、湿度が高い時期はダニやカビの温床になってしまいやすいのがデメリットです。特にジメジメとした梅雨の時期は、注意する必要があります。

和室を作る際は、間取りに気を付けることをおすすめします。通気性が悪く湿気がこもりやすい場所や、日当たりの悪い場所、浴室が近い場所などは和室に向きません。専門家にアドバイスをもらいながら、間取りを検討するとよいでしょう。

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和室の使い道は何がある?役立ってくれる用途

和室は要らないという人には、和室の使い道がよくわからない人もいるようです。

実は、和室は同じの部屋を幅広い用途に使える点が魅力です。例えば、家に1つ和室を作っておくと次のような使い方が可能になります。

誰かが訪ねてきたときの客間として使える
多くの人が客間としての用途を想定して和室を作っています。

客間として使うとき、和室はお客様をもてなすためのリビングや応接室としての役割をする一方で、布団を敷いたら寝室としての役割もします。この使い分けは洋室には難しい点です。

将来の同居に備える
親が年をとったときに同居する可能性があるから和室を用意しておくという人は少なくありません。

洋室の場合ベッドを入れて寝室にすると、普段過ごす場所はリビングなど他の部屋になる可能性があります。親が日中過ごしやすく、夜間も落ち着いて寝られる自室としては和室の方が適しているでしょう。

子どもの遊び場や家事スペースとして利用
キッチンの近くに和室を確保しておくと、小さな子どもを遊ばせたり、アイロンかけなどの家事をしたりするのにも便利です。

畳は柔らかく小さな子どもが転んでもケガをしにくいだけでなく、遊び疲れて寝てしまったときには昼寝もさせやすいというメリットがあります。アイロンやアイロン台を押入れにしまっておけば、子どもを遊ばせている近くで家事をすることもできます。

急な来客があったときには、部屋が散らかっていてもふすまを閉じて見えないようにし、お客様をリビングへ通すということも可能です。

新築の住宅への必要性は?和室の有無を考える

家を新築する際、和室は必要ないと考える人もいます。しかし、同じスペースで部屋を用意するのであれば、和室の方が用途は広いと言えます。

例えば、来客の宿泊の際にフローリングの部屋に布団を敷くのは難しいかもしれません。フローリングの上に布団を敷く場合は、マットレスを重ねた上に布団を敷かなければ固すぎて寝心地が悪くなる可能性があります。

それ以前に、洋室には押入れなどの収納スペースがない場合があり、寝具を用意しておくこともできません。洋室はベッドを入れて寝室としての機能を持たせる方が無難でしょう。

しかし、和室であれば、昼間は寝室以外の用途で使用することができます。使う時間や使う人によって別の用途で使える和室は、限られたスペースを何倍にも有効に使えるという点で優れています。

そのため、あらゆる用途で使用したい場合は和室にしておくといいでしょう。和室には押入れなどの収納スペースもある分、収納スペースの確保にもつながります。

実際に和室を採用している割合は全体の約7割と和室は依然として高い人気があり、実は若い世代ほど採用率が高いと言われています。

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和室を快適につくるポイント

和室を快適に作る際に重要なポイントは、まずライフスタイルに合ったタイプを選ぶことです。

例えば、小上がりの和室は多目的に使えて便利ですし、空間に変化も生まれます。また、広々としたリビングにしたいなら、無理して和室はつくらず、後から置き畳を敷くスペースを確保するという方法もあります。

もうひとつのポイントは、収納計画をしっかりと練っておくことです。

和室の押入れは洋室の収納よりも奥行きがあって大容量ですし、「天袋」や「地袋」も追加できます。家づくりにおける収納スペースづくりの重要ポイントになりますので、何を収納するか決めておくとよいでしょう。

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関連記事:小上がりの和室はあったほうがいい?メリットとデメリットまとめ | フリーダムな暮らし 

関連記事:和室の収納スペースを考えよう!収納ノウハウ特集 | フリーダムな暮らし

おしゃれな和室の建築実例

ここまで読んできて、やはり和室が気になると感じた人は多いのではないでしょうか。そこでフリーダムアーキテクツの建築実例を3つ紹介いたします。

実例①CASE735 brighted home

リビングのフローリングと段差なくつながる形で、琉球畳の和室が設けられています。洋室と和室が隣接すると違和感が生まれそうに思えますが、こちらの家は同じ壁紙と、温かみのあるチークのフローリングと相性のよい茶系の畳がつながっているため、自然な一体感があります。

注文住宅の家づくり│CASE735 brighted home


実例②CASE678 K邸(社長の邸宅)

アーバンリゾートをテーマに計画されたこちらの住宅は、広々としたリビングや吹き抜け階段などと対照的に、和室が趣のある閉ざされた空間としての存在感を持っています。上半分が障子紙、下半分はガラスでできた雪見障子からは、閉めたままでも庭の景色を楽しめます。

注文住宅の家づくり | CASE678K邸(社長の邸宅)

実例③CASE379 ONE PIECE HOUSE

リビングの一角に設けられた小上がりの和室です。一般的な小上がりと違うのは、リビングのフローリングと畳をフラットでつなぎ、廊下部分で段差を付けている点です。他のインテリアデザインとしっかりなじんでいるため、LDKもいっそう広々と感じられます。

注文住宅の家づくり | CASE379ONE PIECE HOUSE

しっかり計画を練ることで快適な空間に!

これから住宅を新築する人にとって、和室は必ずしも要るものではないかもしれません。しかし、一定の人気があり多様な用途で使用できる和室は、あると便利でしょう。

間取りに取り入れる際は、和室を将来どのように使いたいかというおよその使い道は考えておくことは重要です。

リビングに隣接している方がいいか離れていた方がいいか、あるいは小上がり和室かフラットな和室かなどによって、間取りは大きく異なってきます。

施工事例を参考にしつつ将来の生活スタイルをイメージし、具体的な疑問やお悩みはぜひ家づくりのプロにご相談ください。ぜひ無料資料請求も併せてお問い合わせくださいませ。

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