家の駐車場はどのぐらいのスペースが必要?便利で使いやすい駐車場づくりのポイント

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意外と多い新築駐車場トラブル!駐車に必要なスペースは一体どれくらい?

マイホームを新築する際に多くの人が敷地内に駐車場を作りますが、実は駐車場の設計を誤ると取り返しのつかない問題が起きることがあります。特に多いのが、駐車場の広さが十分に取れていなかったというスペース関連のものです。

せっかく夢のマイホームが完成したのに、駐車場トラブルのせいで不便な生活を強いられては台無しになってしまいます。後々の修正が難しい場所だからこそ、将来のことも考えて設計しなくてはなりません。

そこで、この記事では駐車スペースの具体的なサイズの目安、また長く住むことを見据えたときに注意したいポイントなどについて解説していきます。

駐車場つくりでみんなが考えた駐車に必要なスペースとは?

駐車場つくりでみんなが考えた駐車に必要なスペースとは?

まずは、駐車場を作ったことのある人を対象にどれくらいのスペースが必要だと考えたかアンケートをとってみました。

1台分だけは少数派… 多くが子どもや来客の分も想定している

・車が2台余裕で駐車できるぐらい。来客の時に困らないので。(20代/女性/正社員)
・普通自動車と自転車が3~4台置けるくらい。将来的に子どもが通学などで自転車を使うことになると思ったから。(20代/女性/正社員)
・3台分作りましたが、(2台は屋根のある所、1台は屋根のない所)子どもが運転するようになると、もう1台分必要になり、無理やり屋外に置きました。4台分は必要かと思います。(50代/女性/専業主婦)
・趣味用の車が一台と夫婦一台ずつの計3台分ほどが必要だと思いました。来客の際や、将来介護が必要になった時のために広めのスペースが欲しかったからです。(30代/女性/個人事業主・フリーランス)
・敷地に余裕があるのであれば、所有台数×1.5ぐらい。洗車のスペースを確保できるから。(30代/男性/正社員)

【質問】
駐車場を作る際、スペースはどれくらい必要だと思いましたか?

【回答結果】
フリー回答
調査地域:全国
調査対象:【年齢】20 – 29 30 – 39 40 – 49 50 – 59 60
調査期間:2017年09月04日~2017年09月11日
有効回答数:149サンプル

アンケート結果を見てみると、ほとんどの人が余分に駐車できるスペースを確保していました。駐車スペースは一度決めてしまうとなかなか変えることができないので、現在の所有台数は1台だけという家庭でも、来客時や車を買い足す可能性を考慮して駐車場スペースを余分に見積もったようです。

また、駐車場に物を置いたり洗車したりするための広さが必要だと答えた人もおり、駐車場をつくるには各家庭の生活環境やライフスタイルを見据えることが大切だということがわかりました。

新築駐車場の最適な幅を決める際のポイント

家を新築する際、駐車場の幅をどのぐらいにすべきか迷う方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、幅を決める際にチェックしてほしいポイントを解説します。

車幅だけでは不十分、基本的な駐車場スペースとは 

車種によって車の大きさは異なります。たとえば軽自動車は全長3400mm×横幅1480mm、中型車は全長4800mm×横幅1700mm、大型車であれば全長5100mm×横幅1880mmなので、各家庭で使用している車の大きさを考慮したうえで駐車スペースを決める必要があります。

駐車場に必要とされている一般的なスペースは、軽自動車が縦4m×横幅2m、大型車であれば縦5~6m×横幅2.5m以上になります。しかしこれはスムーズに駐車でき、かつ人が普通に車から乗り降りできるほどのスペースです。

もしも駐車場前の道が狭いのであれば、何度も切り返ししなければ駐車できないかもしれません。また、車イスを使用している人がいる家庭や、荷物をスムーズに積み下ろししたいという人は、車のドアを全開にしてもドアが壁にぶつからないようなスペースが必要です。その場合、基本の駐車スペースよりも広めに駐車場を確保した方がいいでしょう。

また駐車場を使うのは車だけではありません。バイクや自転車を使用する家庭は、1台あたり1m×2mほどの駐車スペースも確保しなければならないので、車以外の乗り物も考慮しましょう。

今後買う予定の車のスペースも考えよう 

駐車スペースを考える際は、現在だけでなく将来の車の所有事情も見据える必要があります。その理由を具体的に理解するために、新築住宅を建てる新婚夫婦を例に考えてみましょう。

男性は会社勤めで車通勤をしている、女性は専業主婦で滅多に車を使わないと仮定します。夫婦が所有する車は、軽自動車1台です。その場合、「夫しか車を運転しないから、駐車スペースは所有している軽自動車1台分だけで十分だ」と考えがちかと思います。当分の間はこの駐車スペースで十分かもしれません。しかし今後、女性が仕事を始めて車通勤になるかもしれません。また、子どもに恵まれて大きい車に買い替えたり、その子どもが成長して車を所有するようになるかもしれません。

このように将来を考えたとき、軽自動車1台分のスペースでは全く足りなくなってしまうのです。

駐車場は住宅のスペースとの兼ね合いをもとにつくられるので、一度駐車場をつくると簡単に駐車場を広げることができにくくなります。将来駐車場スペースの不足に悩まないためにも、現在持っている車だけではなくいずれ買い替える可能性のある車のサイズや、台数の増加などについてもしっかり検討しましょう。

車イスや来客用の駐車スペースも重要 

駐車場をつくるときは、来客用スペースや家族がケガをしたときにもスムーズに出入りできるようなスペースを考えることが重要です。

来客用に必要なスペースは、よく訪問する車の台数を想定しましょう。敷地内に来客用駐車場がなくてもコインパーキングに停めてもらえば問題ありませんが、自宅近くにコインパーキングがない場合に来客が路上駐車をしてしまう可能性があります。路上駐車は追突や歩行者の飛び出しといった事故の原因になるので、敷地内にはできるだけ来客用の駐車スペースをつくることが大切です。

家族のケガを考慮した駐車スペースについては、たとえば事故で足を骨折した場合、車椅子の使用や介護を必要とすることがあります。その際、駐車場で車のドアを全開できるほどのスペースがないと乗り降りしづらく、ドアをぶつけてしまう可能性があります。

車イス利用者を考慮する際は、車体から約1.4mのスペースを設けてスムーズに乗り降りできるようにしましょう。 

おしゃれな駐車場の建築実例

フリーダムアーキテクツで手がけた住宅ではどんな駐車場が作られてきたのか、おしゃれな駐車場の建築実例をいくつかご紹介します。

CASE747 濃漆喰の家 

中庭の芝生、室内のアクセントにしたカーペットなど、緑を差し色として使ったシックな住宅です。雰囲気を合わせるために、駐車場のデザインも極力シンプルに仕上げました。コンクリートの打ちっぱなしにグリーンのラインを引き、駐車スペースを区切っています。比較的車体が大きくてもスムーズに駐車できるよう、スペースを広めに確保したのもポイントです。

CASE747 濃漆喰の家

CASE698 「景の家」

ダークグレーの外壁が特徴的なシックな住宅。駐車場棟と住居棟で壁面のデザインを統一し、全体として一体感のあるデザインに仕上げました。インターホンと郵便受けも配置され、玄関の一部としての役割も果たしています。

駐車スペースは車2台分を確保しているので、来客があった場合にも対応可能です。照明も完備されているので、夜になっても安心して車庫入れができます。

CASE698 「景の家」

CASE728 My Style Home

ビルトインガレージは2か所に設置。合計で3台車を停められます。一つのガレージにはグリルシャッターを取り付けることで、開放感がある仕上がりになりました。もう一つのガレージには、リビングとつながるガラス窓や光を取り込むFIX窓を配置。リビングから愛車を眺めることもできる「車との暮らし」を存分に楽しめる住宅です。

CASE728 My Style Home

家の駐車場を安全かつ使いやすくするポイント

家の駐車場はおしゃれであることも大事ですが、それ以上に安全で使いやすいことが求められます。ここでは、家の駐車場を安全かつ使いやすくするポイントを紹介します。

カーポートを設置する 

カーポートを設置すると、駐車場の使いやすさが格段に向上します。カーポートとは、壁のない車庫のことです。車を紫外線や雪・雨から守ってくれる役割を果たします。夏場の車内温度が上がるのを防いだり、鳥のふんなどの汚れからも守ってくれるので、車を維持する観点からも優れている設備です。

また、天気が悪い日でも車の乗降がスムーズにできるようになります。荷物が多かったり、お子さんと一緒に外出したりしていた場合でも、雨にぬれずに玄関までたどりつくことが可能です。

大がかりな工事をするわけではないので後付けすることもできますが、その場合は必要なスペースだけでも確保しておきましょう。

カーゲートやシャッターで愛車を守る

カーゲートやシャッターを設置し、愛車を守れるようにしましょう。カーゲートとは駐車スペースの前に設置するゲートのことです。

歩道や道路との境界がわかりにくいオープン外構だと、通行人が駐車場に入ってきたり、傘やカバンが当たって車が傷ついたりすることがあります。また、他の車が道路を走行したときに石を跳ね上げてしまったら、その石が飛んできて車に当たる可能性もゼロではありません。

大切な車を傷つけられたり、思わぬ事故につながったりしないよう、万全の対策を講じましょう。予算に応じてさまざまなタイプのカーゲートが選択できるので、まずはご相談ください。

駐車場と玄関の動線を考える

駐車場と玄関の動線は慎重に考えましょう。玄関までの動線が長いと、さっと家に入りたい雨の日や日差しが暑い日は不便です。車で買い出しにいくことが多かったり、足が不自由なご家族がいらっしゃったりする場合は、特に慎重に考える必要が出てきます。

スペースが確保できるようなら、ビルトインガレージも検討しましょう。居住スペースとつなげる構造にすれば、荷物を自宅にいれたり、ご自身やご家族が移動したりする際にもとても便利です。

なお、ガレージについては、以下の記事でも詳しく解説しているので参考になさってください。
注文住宅の「ガレージハウス」特集

照明を取り入れる

駐車スペースには照明を取り入れましょう。照明によってデザインにメリハリが出ておしゃれな印象になります。夜間には足元を照らしてくれるので、安全・防犯面からも優れているのも取り入れるべき理由の1つです。

さらに高い防犯性を求めるなら、砂利を敷いたり、防犯カメラを取り付けたりなどの対策もおすすめです。砂利を敷いておけば、歩いた時に大きな音がするので、不審者が入ってきても迅速に気付くことができます。また、防犯カメラを取り付けておけば、万が一トラブルがあった場合でも、有力な証拠として提出可能です。

駐車スペースは住居スペースとのバランスが大切

駐車スペースは将来を見据え広めに確保しておきたいですが、広ければ広いほど良いというわけではありません。駐車スペースを広く取ると、その分住居スペースが狭くなるため、「十分な駐車スペース」と「住居」のバランスをうまく取る必要があります。

しかし、家族構成、土地の広さや車の台数など、様々な要因により適切な駐車スペースは変わってきます。具体的にどのくらいの広さが適切かの判断は難しいかと思います。そこで駐車スペースを決める際にオススメしたいのが、様々な住宅事例を参考にすることです。

フリーダムアーキテクツでは、駐車スペースと住居のバランスを検討するための参考資料として「住宅作品集」をご用意しております。住宅作品集では、フリーダムアーキテクツが手がけた住宅のうち、約40例を豊富な写真と共にご紹介しています。外観の写真だけでなく、間取りや価格、それぞれの家のこだわりポイントもあわせて解説しています。家づくりを進めるにあたり、ぜひ参考にしてください。

◆◆「フリーダムアーキテクツが手掛けたデザイン住宅の作品集を今なら無料でお届けします。

関連記事:駐車場付きの外構は種類もメリットもたくさん!工事前に押さえたいポイントとは

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