GOETHE Vol.11 | 注文住宅なら建築設計事務所 フリーダム

GOETHEVol.11


Q. 全館空調や太陽光発電など、
 家を造るなら設備もいろいろつけたいんですが?



Text=牛丸由紀子 Photograph=柳内 悠 Illustration=村林タカノブ


快適な設備とその現状

 家を建てるならあれもつけたい、これも欲しいと夢は膨らむ。住宅展示場でも「今注目の太陽光発電をこの機会に」「全館空調システムなら毎日心地よく過ごせる」「キッチンも最新システムで」など、多種多様な設備を紹介されるはず。
 しかし、ちょっと待て! これらの設備、目先のよさだけに惹かれ熟慮しないと、後悔する可能性は大なのだ。

例えば全館空調。ひとつのシステムで家全体を冷暖房でき、廊下やトイレも一定の温度になるためつけたいと思う方も多い。しかしそのためには高気密・高断熱住宅にしなくてはならないので、建築費も割高に。また配管のために天井を低くしたり、外気温との差を少なくするために、あまり大きな窓はつけられないなどの制約もある。もちろん月々の電気代も高くなることも覚悟しなくてはいけない。

さらに問題なのは、設備の進化は日進月歩だということ。高額な設備も10〜15年で償却できると言われるが、それだけの年数が経つころには技術の進歩でより高性能で低価格になったものが出てくるはずだ。最近話題の太陽光発電も、数年後には小さなソーラーパネル1枚で充分な発電が可能になるかもしれない。そうなれば、現在必要な屋根の強度や角度の制約なども、無用になってしまうだろう。さらに時代の変化は、商品自体の存在を脅かすことも。
僕の経験でも、ある大手企業の全館空調システムが廃番になってしまったことが。商品だけではなくメンテナンス部門もなくなり修理ができないため、全館空調がただの飾りに、という悲惨な話さえ現実にあるのだ。


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生涯を満足して過ごせる家づくり

 設備はあくまでもプラスαでサポートするもの。家の仕組みを制約するものではなく、時代や技術の変化に対応できるよう、交換可能など柔軟性のあるものを選択すべきだと思う。これらの設備に発生する何百万というコストを考えるなら、そのお金で地下室を作って趣味の部屋を実現したり、それこそ投資にまわしてリターンを考えたほうがよいとさえ思うのだ。

 それでは家造りで最優先すべきこととは? それは〝空間〞だ。
家の大きさに始まり、天井の高さ、中庭をつくるなどの空間は、基本的に20年・30年暮らしても変わらない。絶対的な価値が生涯残るのが、空間=間取りなのだ。こだわって自分の好みの間取りの家ができれば、それは生涯満足して過ごすことのできる場所になる。

一生に一度の家造りなのに、あとでがっくりなんて目には遭ってほしくない。目先に囚われずお金をかけるべき優先順位を知って、10年後・20年後に後悔しない家造りを目指せ!


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■GOETHE (ゲーテ)
仕事を充実させ、その哲学を人生に反映させている人間たちの
物語を凝縮した、ライフスタイルマガジン
月刊誌:毎月24日発売 発行: 幻冬舎
http://www.gentosha.co.jp/goethe/

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