GOETHEVol.9


Q. 「標準仕様」がないって不安なんだけど、大丈夫?

Text=牛丸由紀子 Photograph=西川節子 Illustration=モーリー☆ワイド


標準仕様というシステム

 家を建てる時、よく目にするのがハウスメーカーのカタログの「標準仕様」。数種のデザインの家が、坪単価とともに紹介され「こんな家ならウン千万」ということがわかるシステムだ。しかし、例えばキッチンを憧れの他社のものに替えたいと思っても、それはほぼ不可能。できてもオプションとなり、かなり高い追加料金を取られるというデメリットがある。

 とはいえ、設計事務所のように標準仕様がないと、どんな金額で、どんなグレードになるのかわからないという不安も。何しろ、設計時の金額と実際の金額が違う! という問題はよく聞く。というのも、普通、建築家は設計をして概算でお客様と契約を結ぶことが多い。しかし、実際の金額を試算するのは工務店の仕事。ゆえに設計後、詳細な図面が完成して初めて確実な金額を出すことになるので、蓋を開けたらびっくり……ということがよくあるのだ。

 でも僕は、それはおかしいとずっと思っていた。最初にこの金額でやると言ったなら、その金額でやるのが仕事。だからフリーダムではお客様のさまざまな要望をまず丁寧にヒアリングする。その時に外壁、床材、水回りなど金額を大きく左右しそうなポイントへのこだわりをしっかり確認。そしてその要望を組みこんだ図面とともに、必ず資金計画書も提示するのだ。フリーダムの強みは年間2000軒以上の実績。その経験から現実に近い金額と施工の具体例を提示できる。合意のもと、初めてお客様は契約を結ぶことになる。


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もちろん一生に一度の買い物だから話が盛り上がり、最初に聞いた要望からだんだん金額が膨らんでくることもある。そんな場合はヒアリングをもとに、お客様にとって重要ではない部分の建材を替えたり、設備の価格帯を下げるなど、目標予算にまで落とすための施策を必ず提案する。お金をかけるところとかけないところを明確にし、お客様が求める金額に向けて細かく価格コントロールをするのだ。だからハウスメーカーなら1ヵ月程度で決める設計も、僕らは3〜4ヵ月かけてお客様とじっくり相談しながら練り上げる。>  経営的にいえば、標準仕様のカタログを作れば、説明も簡単だし合理的。でも僕がなぜやらないのか。それは「家は商品ではない」という考えだからだ。家はお客様の夢を形にするもの。ひとりひとりの思いをお聞きし、僕たちが造りたいものではなく、お客様が満足し、なおかつシンプルでかっこいいと思える建物を造るのが使命ともいえる。  徹底的に相談しながらあなただけの家を造る、予算だって厳守。だからフリーダムには〝標準〞なんて存在しないのだ!


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■GOETHE (ゲーテ)
仕事を充実させ、その哲学を人生に反映させている人間たちの
物語を凝縮した、ライフスタイルマガジン
月刊誌:毎月24日発売 発行: 幻冬舎
http://www.gentosha.co.jp/goethe/

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